被爆80年に向けた三つのプロジェクトを発表し、若い世代にも協力を呼びかける田中会長(中央)ら=長崎市岡町、長崎原爆被災者協議会

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ともに歩む 長崎被災協のこれから【80年プロジェクト発表】 被爆者80人の証言を世界へ  英訳、動画配信 若き協力者募る 

2024/01/12 掲載

被爆80年に向けた三つのプロジェクトを発表し、若い世代にも協力を呼びかける田中会長(中央)ら=長崎市岡町、長崎原爆被災者協議会

被爆者80人の証言を世界へ  英訳、動画配信 若き協力者募る 

 長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)は11日、来年の被爆80年に向けたプロジェクトの内容を発表した。被爆者80人の証言映像撮影や英語でのインターネット配信、平和を願う碑の建立などを目指す。「若い世代の感覚」を取り入れようと、証言の聞き取りや英訳、動画作成などで若き協力者を募る。
 長崎市内で11日会見した田中重光会長(83)は「長崎を最後の被爆地にするため、県民や市民を巻き込んで運動を発展させたい。被爆者の声をもっともっと集め、次世代へ継承していきたい」と意気込んだ。
 会員の被爆者の高齢化や減少、国際的な核情勢の悪化など核兵器廃絶への道は険しい。それでも被災協は核なき世界への展望を描こうと、昨年10月に三つのプロジェクトチーム(PT)を設置した。これからの被災協組織・在り方▽世界に向けた広報活動▽被爆80年の取り組み-の3本柱。各PTは既に2、3回ずつ会合を開いた。
 世界広報PTは若者への発信を意識し、被爆80年に合わせて「被爆者80人」の証言などを各20~30秒の短い動画にまとめ、交流サイト(SNS)で配信。被爆体験が描かれた漫画を基にした紙芝居風の動画や、長崎原爆を学べる20分程度の動画教材も作る予定で、いずれも英語で伝える。
 被爆80年PTは長崎市の平和公園内に「憲法9条の碑」の建立を目指し、来年6月をめどに「80年のつどい」も開く。これからの被災協PTでは、今は被爆者や被爆2世が中心となっている組織運営に、一般市民や他団体にも関わってもらえないか検討していく。
 会見では協力者に加え、プロジェクトを進めるための寄付も募集。柿田富美枝事務局長(70)は「たくさんのアイデアがあるが、被爆者だけではできない。これまで活動経験がない方も参加し、若い感覚や知恵をぜひ貸してほしい」と呼びかけた。協力の連絡は被災協(電095・844・0958)へ。

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