福岡女学院高3年 臼井 小春さん(17) 神奈川・厚木高3年 諸星 佳織さん(18) 熊本マリスト学園高2年 佐々木彰子さん(17) 県境超え立ち上がる
被爆地長崎在住ではないが、平和への強い意志が評価され、高校生平和大使に選ばれた県外の高校生は3人。
福岡県の福岡女学院高3年の臼井さんは、11歳まで米国で暮らした。学校では「原爆が戦争を終わらせた」と教えられた。被爆の実相を知ったのは、帰国して長崎原爆資料館を訪れてから。「教科書にはこんなこと載ってなかった」。知らされてこなかった原爆の恐ろしさに衝撃を受けた。「アメリカの友達にも(被爆の実相を)伝えたい」
神奈川県立厚木高3年の諸星さんは修学旅行で広島を訪れ、原爆について学んだことが平和問題に関心を持つきっかけになった。小学校教師の母親が障害児学級を受け持っていたこともあり、人の幸せや平和について考える機会は多かった。将来は国際機関に所属し、世界から貧困をなくすのが夢。「私にできることは何か、平和大使を務めながら考えていきたい」
左から諸星さん、佐々木さん、臼井さん
平和についての考えを話す県外在住の平和大使(左から諸星さん、佐々木さん、臼井さん)=長崎市内
「平和大使の選考を受けるまで、高校生1万人署名活動を知らなかった」と熊本県の熊本マリスト学園高2年の佐々木さん。同県で選考を受けた高校生のほとんどがそうだったという。小学生の時、爆弾で親を失った少年の写真を見て平和問題に関心を持ち、平和大使への応募につながった。「(同年代の活動を知り)すごいと思った。熊本でも広めたい」
平和について真剣に語る3人。一方で、人気グループ「嵐」についての会話も盛り上がり、高校生らしい一面ものぞかせた。
高校生平和大使6人は12日、結団式に出席し「世界に平和を訴えていく」と決意。被爆地から平和希求と核兵器廃絶への思いを受け継ぐ若い世代が、今年も世界に訴え掛ける。