地下1階 趣旨理解できる空間
地下一階には、手記展示コーナーと追悼コーナーがある。団体など時間が限られた来館者にも対応するため、この二カ所で、祈念館の趣旨をほぼ理解できるようにしたという。
手記展示コーナーでは、被爆者の手記の抜粋を読ませる。追悼コーナーは、原爆死没者名簿を保管した地下二階の追悼空間の全景がガラス越しに見える。ここも祈りの部屋となる。
祈念館の施設全体について、国土交通省九州地方整備局は「静寂、厳粛性を感じられるような建築的表現を目指した」と説明する。
館内の壁は、コンクリートの打ちっ放し仕上げ。杉板の模様が水平につけられ、表面には凹凸がある。回廊の順路に沿って張った金属板も、水平の溝が切ってある。コンクリートの色合いは、館内の緊張感を保つ。それが逆に、カウンターや本棚、いすなど各所にある木製設備を目立たせている。