今回は「ミシュランガイド」で一つ星を獲得したフレンチのお店、アンペキャブルにおじゃましました。
オーナー兼シェフの大坪慎一さんは、私シムラの中学の先輩。こんなに出世するなんて…、いや思ってましたよ、夢はきっとかなうと。自分の店を構えること、そしてミシュランで星を取ること。どっちも実現するなんて、先輩は偉い!
私事はさておき、お昼の3500円コース(税抜き)をいただきました。「お昼から贅沢」と怒られそうですが、ときには贅沢も必要です!
一品目は五島のハガツオとナスのマリネ。ブローチのような美しさです。もったいないですが、思い切ってナイフを入れます。ハガツオは足が早く、目の前に漁場が広がる長崎だからこそ、おいしく味わえる魚。しかも今が旬。もっちりとした食感で、秋ナス、赤玉ねぎとの相性もぴったりです。
ニンニク入りのマヨネーズがうま味をより引き立ててくれます。まさに日本文化とフランス文化の融合! 長崎に生まれてよかった。早くもワインが飲みたくなりました(もちろん仕事なので飲みません)。
次はゴボウのポタージュです。カプチーノ風の仕上がりで、温かくてクリーミー。ホッとします。どうやったら、こんな深い味わいが出せるのでしょうか。
そして気になるのが器。世界の有田です。国内外のトップシェフたちと仕事をしているカマチ陶舗(佐賀県武雄市)の白磁。シェフと作家さんが頻繁に行き来し、料理に合った器を気持ちを一つにして作り上げるそうです。焼き物ファンにはたまりません。
新米と柑橘類の季節。そして長崎は柑橘のまち。柑橘類は季節や寒暖によって甘さや酸味が刻一刻と変化していくそうです。品種や生産者、地域によっても味はさまざま。無限大の味付けが可能になるので、お店ではふんだん使っているそうです。この日は、カボスの香り漂うタコとイカのリゾット。季節感たっぷりの一品、ペロリといただきました。
メインは雲仙豚のロースト。栄養たっぷりのツルムラサキが添えられています。時間をかけてじっくりと焼いた雲仙豚は柔らかくてジューシー。2種類の野菜ソースも絶品です。ナスなどの季節野菜を材料にして作ったそうです。肉に付けて食べるか、香ばしくてもっちりの自家製パンに付けるか。すべてはあなたのお好み次第。ソースからも季節の野菜が摂れるなんて最高です。
日々のメニューは、仕入れた食材によってスタイルもアプローチも違います。魚尽くしの日もあれば、野菜いっぱいの日も。季節や天候、地域、生産者などによって味や風味が微妙に変わる”長崎の旬”に合わせて料理を考える。長崎に住んでいるからこそ食べられる、長崎に来ないと食べれない料理の数々。まさに地産地消の神髄です!
最後はチョコレートと栗のケーキ。コーヒー付きです。白い帽子の正体はアイスクリーム。焼きあがったばかりのケーキと冷たいアイスが口の中で混ざり合い、アーモンドの風味がより甘さを引き立ててくれます。思わず、うまっ!と声が出てしまいました。これでコースは終了。心が満たされました。ごちそうさまでした。
ワインはかなり厳選されていて、オーガニックが基本です。下積み時代から毎年のようにフランスの生産地を訪問。味や香りのよさはもちろん、生産者の考え方や環境意識などに共鳴したワインだけを店内で提供しているそうです。
次はおいしいワインを飲みにいこう!