あす長崎原爆の日 2年ぶりに平和公園で祈念式典 関係者らがリハーサル

2024/08/08 [10:03] 公開

平和祈念式典のリハーサルで献水の段取りを確認する参加者ら=長崎市、平和公園

平和祈念式典のリハーサルで献水の段取りを確認する参加者ら=長崎市、平和公園

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被爆地長崎は9日、79回目の原爆の日を迎える。2年ぶりに平和祈念式典の会場となる長崎市松山町の平和公園では7日、関係者らがリハーサルに臨み、本番の流れを入念に確認した。
 核を巡る国際情勢が深刻さを増す状況を踏まえ、鈴木史朗市長は平和宣言で、核兵器不使用の規範が揺らいでいると危機感を表明。外交努力による解決を呼びかける。
 一方、被爆者(被爆者健康手帳の所持者)は3月末現在、県全体で2万5966人。ピーク時の4分の1以下で、平均年齢は85歳台後半に入った。国の指定地域外で原爆に遭い、被爆者と認められていない「被爆体験者」も高齢化。9日の式典後、岸田文雄首相と初めて面会し、救済を求める。
 昨年の式典は台風接近のため屋内開催となり、市関係者に参列を限った。今年は2年ぶりに平和公園で執り行い、9日午前10時45分に開式。一般参列は事前申し込みがあった約900席を用意し、全体で2400人規模となる。
 7日のリハーサルは、被爆者や高校生ら約130人が参加。朝から強い日差しが照り付ける中、献水や献花など一つ一つの動線や手順を確認した。市立山里小の児童は「あの子」を合唱。6年の森本鞍之介さん(12)は「今の何気ない生活が脅かされないことが平和だと思う。全力で歌い、悲惨な戦争はだめなんだと伝えたい」と話した。