橘湾で赤潮 養殖魚が大量死 昨年に続き「最大限の警戒」 雲仙や長崎・戸石

2024/06/27 [12:00] 公開

赤潮で大量死した養殖ハマチ=24日、雲仙市南串山町沖(橘湾東部漁協提供)

赤潮で大量死した養殖ハマチ=24日、雲仙市南串山町沖(橘湾東部漁協提供)

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長崎県南部の橘湾全域で6月に入り赤潮が発生し、雲仙市や長崎市戸石地区などで養殖しているハマチやシマアジなどが大量に斃死(へいし)していることが26日、分かった。関係者によると、戸石地区だけでも数万匹の被害が見込まれている。漁業者は赤潮防除剤をまくなど対応に追われている。
 県は13日に有害赤潮プランクトン「シャットネラ」の大量発生を把握。海水1ミリリットル中10細胞を超えると警戒レベルとなる。24日には最大2万1900細胞を確認した。
 昨年夏に橘湾で県内過去最大規模の赤潮被害をもたらしたプランクトン「カレニアミキモトイ」より毒性が強いという。県は「橘湾全域の漁業者から被害が報告されており、最大限の警戒が必要」として被害状況の調査を続けている。
 橘湾東部漁協(雲仙市)は「ハマチやヒラスに甚大な被害が出ているが、まだ調査中」、長崎市たちばな漁協も「調査中」としている。
 県や各漁協などは毎年6月ごろから本格的に赤潮のモニタリングを始めている。県は今年の発生は例年より1カ月ほど早いといい、原因について「現時点では不明」としている。
 県によると、昨年7月下旬ごろから同8月までに橘湾で大量発生したカレニアミキモトイによる赤潮では、トラフグやシマアジなどの養殖魚110万匹が斃死。最終的な被害額は約11億円に上った。
 橘湾では2015年にもシャットネラによる赤潮が発生。被害総額は約7千万円に上った。