過半数が若年層…警察官かたる詐欺被害が急増 1~3月の長崎県警まとめ「いったん電話を切って」

長崎新聞 2025/04/16 [11:30] 公開

ニセ電話詐欺の県内被害状況

ニセ電話詐欺の県内被害状況

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長崎県警がまとめた1~3月の県内の特殊詐欺被害状況によると、ニセ電話詐欺の認知件数は51件で前年の同じ時期より21件増え、被害総額は3倍超の1億2135万円に上った。中でも警察官をかたる「おれおれ詐欺」の被害が急増している。

 警察官をかたる手口の詐欺は13件あった。被害額は8135万円と全体の7割近くを占めた。前年同期は2件で100万円未満の被害だった。警察官をかたる不審電話に関する相談は、3月だけで県警に160件以上寄せられた。

 他県の警察を装い「あなたに資金洗浄事件の容疑がかかっている」「調査するため、指定の口座にお金を振り込むように」などと誘導するケースが目立つ。スマートフォンのビデオ通話機能で警察手帳のようなものを見せたり、LINE(ライン)で偽造の逮捕状を送り付けたりして相手を揺さぶるという。被害者の過半数が20~30代の若年層である点も特徴だった。

 犯人は非通知発信や「+」から始まる国際電話番号を使うケースが多く、これらを着信拒否すれば一定リスクを軽減できる。ただ、中には末尾が「0110」の電話番号を使って本物の警察からの着信だと惑わせるケースも。

 県警は「電話の相手が警察官や官公庁、実在する企業を名乗ったとしても、お金を請求してきた場合はいったん電話を切って、110番通報するなど冷静な対応を」と注意喚起している。