九州郵船、ジェットフォイル更新へ 博多-壱岐-対馬 老朽化で…国や県、両市が半額補助

長崎新聞 2024/08/30 [10:30] 公開

老朽化で更新が課題となっていたジェットフォイル「ヴィーナス2」=4月、対馬市の厳原港

老朽化で更新が課題となっていたジェットフォイル「ヴィーナス2」=4月、対馬市の厳原港

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長崎県対馬市は29日、九州郵船(本社・福岡市)が博多-壱岐-対馬間で運航し、老朽化が課題となっていたジェットフォイル(JF)「ヴィーナス2」について、国や県、壱岐市とともに建造費の半分を補助して更新を支援すると発表した。建造費は78億6千万円。本年度中に建造メーカーの川崎重工業と契約を結び、2028年度前半での就航を目指す計画という。
 同社はJF「ヴィーナス」「ヴィーナス2」の2隻体制で運航。島民の欠かせない「足」となっている。2隻とも船齢が30年を超え、「ヴィーナス2」は40年近くに。同社は更新を検討してきたが、多額の建造費がネックとなり、事業者単独では難しい状況だった。そのため県は16年から国へ更新の支援を重点項目として要望。県によると、公的支援のめどがついたため、更新が決まった。
 建造費については同社が、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構から資金の貸し付けを受けられる「船舶共有建造制度」の活用を希望。国は約19億6千万円、県が約9億8千万円、両市で計約9億8千万円を負担する。
 対馬市の比田勝尚喜市長は「市民の利用が多く、存続を望まれている。やっと念願がかなった」と話した。県交通政策課は「(JFは)なくてはならないものとの認識で動いてきた。引き続き離島住民の安心安全や交流人口拡大に努める」としている。