【独自】PFASと肺疾患の関連指摘 工場従業員、血中に高濃度

共同通信 2025/04/19 [21:04] 公開

有機フッ素化合物(PFAS)

有機フッ素化合物(PFAS)

大きい写真を見る

 健康影響が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)を含む製品を作っていた工場の元従業員らの健康調査で、一部の人の血中から代表物質PFOAを高濃度で検出し、間質性肺疾患を発症したとする論文を京都大などのチームがまとめたことが19日分かった。PFOAと疾患とが関連する可能性を指摘しており、分析に加わった小泉昭夫京大名誉教授は「論文での指摘は初めてではないか」としている。

 元従業員ら5人の血中からPFOAを高濃度で検出、うち3人が間質性肺疾患を発症していた。チームは今回は臨床的調査のみに基づきデータも限られるとし、因果関係の究明にさらなる研究が必要だとした。論文は22日に公開される。

 大手空調メーカー「ダイキン工業」淀川製作所がある大阪府摂津市では、地下水から国が定めた目標値の約420倍のPFASを検出。ダイキンは過去にPFOAを取り扱っていた。

 ダイキンは2012年に国内でのPFOAの製造・使用を終了している。取材に対し「論文の内容を確認できておりませんので、コメントは差し控えます」と回答した。