「乗降場に止まった車が連なり、ホテルの送迎バスが二重駐車していて、反対車線を走行するしかなく、危ない」。長崎新聞の情報窓口「ナガサキポスト」に寄せられた投稿を受け、記者が現場へ急いだ。場所はJR長崎駅の西口駅前交通広場にある一般車乗降場(長崎市尾上町)。管理する市とJR九州長崎支社、県警にも同様の訴えが届いており、調べてみると、長時間駐車や通行の妨げになる車両が続出し、“無法地帯”のような状態だった。
◆激しい出入り
市まちづくり部によると、乗降場は2022年7月、駅利用者向けに供用を始めた。バリアフリー用2台を含む計7台分。西九州新幹線が開業した同年9月以降、利用車両が急増。コロナ禍を経て、観光客が戻り始め、市内ホテルや温泉施設の送迎バスの出入りが激しくなったという。
記者が調べたのは9月中旬の平日。正午から1時間で一般車46台、送迎バス7台が止まった。最も混み合った時間帯は車両が乗降場に入りきれず、北側のT字交差点付近まで連なった。
送迎バスの出入りが重なると、乗降場と出島メッセ長崎の間の市道に止める「二重駐車」が頻発。市道は片側1車線(一部に右折帯)のため、幸町方面から尾上町方面に向かう車両が反対車線を走行せざるを得なくなり、対向車と衝突しそうになる場面を目にした。
◆想定以上
長時間停車も相次いだ。一般車のドライバーが10分ほど車から離れたり、送迎バスの中にはバリアフリースペースで客を待ち、20分以上止まっていた。
市はもともと送迎バスの利用を想定しておらず、現在、把握する限り10事業者が利用。市は5月、週末と平日の2回(午前9時~午後6時)、送迎バスの利用を調査。平日は76台で、記者が調べた日(1時間に7台)と同じ傾向。週末はさらに多い118台で、「想定以上の状況」と頭を抱える。
◆看板設置も効果は…
「乗降場を広く確保できなかったのか」。不満を漏らす利用者に対し、市は「西口にイベントなどを開く広場を整備したかったため、乗降場をより広く確保するのは構造上、厳しかった」と説明する。
しかし、手をこまねいているわけではない。市とJR九州長崎支社は3月、看板6枚を乗降場に設置。「人を待つための停車はできません」などと注意を呼びかけるが、「効果は見られない」(市担当者)。
市と同支社は今月、ホテル事業者とも協議。県旅館ホテル生活衛生同業組合の塚島宏明専務は「状況は把握している。まず各施設のマナー順守を確認し、送迎時間をずらすなど対応を検討する」とした。
市は西口付近に送迎バス専用のスペース設置などを検討する一方、既に路線バスや大型観光バス用のバス停、タクシー専用の乗降場があるため、現実的に新設は難しく、費用負担の問題ものしかかる。一般車両について、市は東口駅前交通広場に整備予定の有料駐車場(40台)の利用を促すのみ。いずれも車両側のマナー順守にかかっており、抜本的な解決には時間がかかりそうだ。
◆激しい出入り
市まちづくり部によると、乗降場は2022年7月、駅利用者向けに供用を始めた。バリアフリー用2台を含む計7台分。西九州新幹線が開業した同年9月以降、利用車両が急増。コロナ禍を経て、観光客が戻り始め、市内ホテルや温泉施設の送迎バスの出入りが激しくなったという。
記者が調べたのは9月中旬の平日。正午から1時間で一般車46台、送迎バス7台が止まった。最も混み合った時間帯は車両が乗降場に入りきれず、北側のT字交差点付近まで連なった。
送迎バスの出入りが重なると、乗降場と出島メッセ長崎の間の市道に止める「二重駐車」が頻発。市道は片側1車線(一部に右折帯)のため、幸町方面から尾上町方面に向かう車両が反対車線を走行せざるを得なくなり、対向車と衝突しそうになる場面を目にした。
◆想定以上
長時間停車も相次いだ。一般車のドライバーが10分ほど車から離れたり、送迎バスの中にはバリアフリースペースで客を待ち、20分以上止まっていた。
市はもともと送迎バスの利用を想定しておらず、現在、把握する限り10事業者が利用。市は5月、週末と平日の2回(午前9時~午後6時)、送迎バスの利用を調査。平日は76台で、記者が調べた日(1時間に7台)と同じ傾向。週末はさらに多い118台で、「想定以上の状況」と頭を抱える。
◆看板設置も効果は…
「乗降場を広く確保できなかったのか」。不満を漏らす利用者に対し、市は「西口にイベントなどを開く広場を整備したかったため、乗降場をより広く確保するのは構造上、厳しかった」と説明する。
しかし、手をこまねいているわけではない。市とJR九州長崎支社は3月、看板6枚を乗降場に設置。「人を待つための停車はできません」などと注意を呼びかけるが、「効果は見られない」(市担当者)。
市と同支社は今月、ホテル事業者とも協議。県旅館ホテル生活衛生同業組合の塚島宏明専務は「状況は把握している。まず各施設のマナー順守を確認し、送迎時間をずらすなど対応を検討する」とした。
市は西口付近に送迎バス専用のスペース設置などを検討する一方、既に路線バスや大型観光バス用のバス停、タクシー専用の乗降場があるため、現実的に新設は難しく、費用負担の問題ものしかかる。一般車両について、市は東口駅前交通広場に整備予定の有料駐車場(40台)の利用を促すのみ。いずれも車両側のマナー順守にかかっており、抜本的な解決には時間がかかりそうだ。