公用車で陣中見舞い…長崎県の大石知事 昨年の県議選前、県認める

2024/09/27 [11:00] 公開

大石賢吾知事が昨年3月に公用車を使い、県議選を翌月に控えた自民県議6人の事務所を訪れ激励していたことが26日、分かった。県議会総務委員会で小林克敏委員(県民会議)が、政務の「陣中見舞い」に当たり公務と混同していると問題視し、県が事実を認めた。
 県秘書課などによると、大石知事は昨年3月12日昼に南島原市で開かれた褒章受章の祝賀会に出席するため、同日午前9時過ぎに公用車で長崎市を出発。会場に向かう途中で雲仙市などの3県議の事務所に立ち寄ったほか、祝賀会後の帰り道でも島原市などの3県議の事務所に顔を見せた。同課職員も随行した。
 小林委員は情報公開請求で公用車の利用状況を把握。「陣中見舞いは政務。(私用に)車を乗り換えることは常識だ」と指摘した。
 同課は、祝賀会に出席する公務の行程で事務所を訪問したと強調。大石知事から「選挙前に激励する気持ちもあったが、県政推進への協力をお願いしたいという思いもあったと聞いている」と釈明した。その上で今後は「政務と公務との線引きはしっかりと判断をしていく」と述べた。