13日に告示された長崎県西海市議選(20日投開票)は、定数16に対し18人(現職10、新人8)が立候補した。定数が18から16に減って初の選挙に加え、議長経験者ら複数のベテラン議員の勇退や県議補選西海市区(被選挙数1)へのくら替えで、2021年の前回選から構図が大きく変化。同日投開票の市長選と県議補選とのトリプル選となったことも影響し、各候補は地縁・血縁などの基礎票固めを急ぎ、議席獲得に向け知名度アップに奔走している。
「構図がぎりぎりまで固まらず、支持の働きかけが難しかった」。候補者の一人はトリプル選の影響をこうぼやく。昨年11月の杉澤泰彦市長の不出馬表明を受け、市長選に県議が出馬表明。これに伴う県議補選に市議が立候補を表明する経過をたどり、顔触れが出そろったのが3月下旬。選挙に向け準備は進めていたが、構図が固まらず「各選挙で誰を応援したらいいか、となった有権者もいた」と言う。
候補者の顔触れも前回から大きく変わった。改選前の18人中、7人が勇退。議長経験者ら4期以上のベテランは、このうち5人を占めた。さらに前々回、前回と2期連続でトップ当選したベテランが県議補選に回った。一方で20代の2人を含む新人8人が名乗りを上げた。
旧町別にみると▽西海町7▽西彼町5▽大島町3▽大瀬戸町2▽崎戸町1。特に大瀬戸町は、前回上位当選した2人が県議補選出馬と勇退で今回出ていない。他町が地盤の候補者は「前回2人合わせて2千票余り獲得しており、票を上積みする重要地区だ」と熱い視線を送る。大手造船所があり、市外出身者が多い大島町や、スーパーなどが集中する西彼町北部では浮動票を取り込もうと選挙カーが乗り入れ、名前を連呼している。
前回の当選ラインは573票。定数が減った半面、知名度の高さや、地域、企業・団体などの支援により得票を伸ばすとみられる有力候補も複数いるため、「今回は読みづらい」という陣営が多い。
各候補は20日の投票日に向け、追い込みを図り、選挙カーと街頭演説を中心に選挙戦を展開。並行して交流サイト(SNS)で浸透を図る候補者もいる。
前回の投票率は73・65%で過去最低。新人による三つどもえの争いとなった市長選を含むトリプル選となったことで、陣営の予想は「75%前後に上がる」との見方が大勢。一方、投票所に足を運ぶのが難しい高齢者がいることや、若年層の関心の低さを指摘し「前回をやや下回る」とみる陣営もある。
有権者数は2万913人(男1万185、女1万728)=12日現在、市選管調べ=。
◇
県議補選西海市区は、いずれも無所属新人で元市議の田川正毅候補(65)=自民推薦=、同市の経営コンサルタント会社社長、川口豪紀候補(50)が争っている。
田川候補は市議を4期務め、そのうち2期連続でトップ当選した知名度を生かし、選挙カーで市内をくまなく遊説。「人口減少対策は市民を巻き込んだ“オール西海市”で取り組みたい」と力説する。
川口候補は企業や団体に頼らない草の根の選挙戦を展開。街頭演説では、法律関係などの実務経験を基に「市民の声を尊重し、人口減少問題に全力で取り組む。最高の西海を守り、創り、発信しよう」と訴える。
「構図がぎりぎりまで固まらず、支持の働きかけが難しかった」。候補者の一人はトリプル選の影響をこうぼやく。昨年11月の杉澤泰彦市長の不出馬表明を受け、市長選に県議が出馬表明。これに伴う県議補選に市議が立候補を表明する経過をたどり、顔触れが出そろったのが3月下旬。選挙に向け準備は進めていたが、構図が固まらず「各選挙で誰を応援したらいいか、となった有権者もいた」と言う。
候補者の顔触れも前回から大きく変わった。改選前の18人中、7人が勇退。議長経験者ら4期以上のベテランは、このうち5人を占めた。さらに前々回、前回と2期連続でトップ当選したベテランが県議補選に回った。一方で20代の2人を含む新人8人が名乗りを上げた。
旧町別にみると▽西海町7▽西彼町5▽大島町3▽大瀬戸町2▽崎戸町1。特に大瀬戸町は、前回上位当選した2人が県議補選出馬と勇退で今回出ていない。他町が地盤の候補者は「前回2人合わせて2千票余り獲得しており、票を上積みする重要地区だ」と熱い視線を送る。大手造船所があり、市外出身者が多い大島町や、スーパーなどが集中する西彼町北部では浮動票を取り込もうと選挙カーが乗り入れ、名前を連呼している。
前回の当選ラインは573票。定数が減った半面、知名度の高さや、地域、企業・団体などの支援により得票を伸ばすとみられる有力候補も複数いるため、「今回は読みづらい」という陣営が多い。
各候補は20日の投票日に向け、追い込みを図り、選挙カーと街頭演説を中心に選挙戦を展開。並行して交流サイト(SNS)で浸透を図る候補者もいる。
前回の投票率は73・65%で過去最低。新人による三つどもえの争いとなった市長選を含むトリプル選となったことで、陣営の予想は「75%前後に上がる」との見方が大勢。一方、投票所に足を運ぶのが難しい高齢者がいることや、若年層の関心の低さを指摘し「前回をやや下回る」とみる陣営もある。
有権者数は2万913人(男1万185、女1万728)=12日現在、市選管調べ=。
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県議補選西海市区は、いずれも無所属新人で元市議の田川正毅候補(65)=自民推薦=、同市の経営コンサルタント会社社長、川口豪紀候補(50)が争っている。
田川候補は市議を4期務め、そのうち2期連続でトップ当選した知名度を生かし、選挙カーで市内をくまなく遊説。「人口減少対策は市民を巻き込んだ“オール西海市”で取り組みたい」と力説する。
川口候補は企業や団体に頼らない草の根の選挙戦を展開。街頭演説では、法律関係などの実務経験を基に「市民の声を尊重し、人口減少問題に全力で取り組む。最高の西海を守り、創り、発信しよう」と訴える。