イスラエル不招待に賛否4000件 長崎平和祈念式典 鈴木市長、判断基準「適切」

2024/08/28 [11:15] 公開

定例記者会見に臨む鈴木市長=長崎市役所

定例記者会見に臨む鈴木市長=長崎市役所

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長崎市の鈴木史朗市長は27日の定例会見で、長崎原爆の日(9日)の平和祈念式典に、パレスチナ自治区ガザで戦闘を続けるイスラエルを招かなかった判断に対し、国内外から電話やメールなどで4千件近い賛否が寄せられたと明らかにした。平穏な式典運営のため招待・不招待を分けた判断基準自体は「適切」だったとの考えを示した。
 一方で米欧諸国がイスラエル不招待に反発し、大使級の参列を取りやめた影響について「どんな判断にせよ政治的影響はこうも起こるのだと、あらためて思った」と言及。来年の招待基準は「さまざまな意見を踏まえて考えていく」と述べるにとどめた。
 市に対する意見は、米欧大使の欠席が表面化した7日から約1週間に集中。日本語の意見は2千件以上寄せられ、大部分は市の決定に賛同する内容だったという。一方、英語の約1500件は大半が反対意見だったが、このうち約1400件は同じ文言で大量送信されたメールだった。
 鈴木氏は今回の不招待は政治的理由でなく、式典運営上の理由だと強調。「むしろ政治的な長崎市としての意志で言えば(紛争国など)平和に対するリスクとなっている国ほど、ぜひ式典に参加して被爆の実相に触れ、平和の尊さを感じ、平和へ向け動いてほしい」と述べた。