長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画する石木ダム建設事業で県は2日、総事業費を現行の約1・5倍の420億円に増額し、完成時期を7年遅れの2032年度とする方針を県公共事業評価監視委員会(友広郁洋委員長)に諮問し、事業継続が承認された。事業費の見直しは07年度以来で、完成時期の延長は当初目標の1979年度から10回目の延期となる。
石木ダム建設事業は治水と利水を目的に県と佐世保市が共同で進めている。評価監視委は県が実施する公共事業について、一定期間ごとに再評価。2日は長崎市内で、治水面の費用対効果などを審議した。
県は増額の理由について、資材高騰など社会的要因が約37億円、工事が進んだ結果、地盤補強が必要な範囲が当初想定より広がるなど事業の進捗(しんちょく)に伴うものが約67億円と説明。このほか、工期延長やリスク対策費の追加を挙げた。
7年間の完成遅れについては、建設に反対している地元13世帯の住民らによる抗議活動の影響、建設業界における働き方改革への対応を理由に挙げた。
増額後の治水面の費用対効果について、県は管理を含む費用約468億円に対し、事業の便益は約519億円で「1・11」と試算。現行の「1・21」より下方修正するとしたものの効果は見込めるとした。評価監視委は今後、議論の内容を踏まえ大石賢吾知事に事業の継続を承認する意見書を提出する。
新たな工程表では付け替え道路工事を30年度、ダム本体工事を31年度までに完了させ、32年度に試験湛水(たんすい)を実施する。増額により、負担額(国の補助を除く)は県が約137億円、佐世保市が約82億円となる。
会場には反対住民や支援者ら45人が傍聴に詰めかけ、事業継続が承認されると不満の声が上がった。
石木ダム建設事業は治水と利水を目的に県と佐世保市が共同で進めている。評価監視委は県が実施する公共事業について、一定期間ごとに再評価。2日は長崎市内で、治水面の費用対効果などを審議した。
県は増額の理由について、資材高騰など社会的要因が約37億円、工事が進んだ結果、地盤補強が必要な範囲が当初想定より広がるなど事業の進捗(しんちょく)に伴うものが約67億円と説明。このほか、工期延長やリスク対策費の追加を挙げた。
7年間の完成遅れについては、建設に反対している地元13世帯の住民らによる抗議活動の影響、建設業界における働き方改革への対応を理由に挙げた。
増額後の治水面の費用対効果について、県は管理を含む費用約468億円に対し、事業の便益は約519億円で「1・11」と試算。現行の「1・21」より下方修正するとしたものの効果は見込めるとした。評価監視委は今後、議論の内容を踏まえ大石賢吾知事に事業の継続を承認する意見書を提出する。
新たな工程表では付け替え道路工事を30年度、ダム本体工事を31年度までに完了させ、32年度に試験湛水(たんすい)を実施する。増額により、負担額(国の補助を除く)は県が約137億円、佐世保市が約82億円となる。
会場には反対住民や支援者ら45人が傍聴に詰めかけ、事業継続が承認されると不満の声が上がった。