石木ダムの利水事業を再評価した市上下水道事業経営検討委員会の答申は「今後いたずらに時間を重ねることは許容できない」とダム建設を強く促す内容となった。公平中立、厳格でフェア、客観的観察者の眼で事実を検証するのが第三者機関の役割だが、今回の検討委は、過去の再評価手続き以上に、市の理屈を守る「強力な防護壁」の役割を果たす結果にもなった。
検討委は、石木ダムの早期建設の必要性を掲げる市の水道ビジョン策定に関わっており、この答申内容は審議前からある程度想定された。「(再評価を)やっていること自体が無駄」。1月から始まった一連の手続きの核心はいみじくも、横山均検討委員長が審議の中で指摘したこの言葉に集約されている。
公共事業の再評価制度の趣旨は、透明性を確保した第三者が審議し、不必要な公共事業は適宜見直していこうという点にある。「ゼロベースから慎重に議論した」(横山委員長)と胸を張る検討委だが、水需要予測や費用対効果といった議論では深いやりとりもなく、反対派から「認定ありき」と指摘が上がるのは当然だろう。
石木ダム建設は、住民の財産を強制的に取り上げ、事業を行うものなので、その手続きを進める際は極めて抑制的なものでなければならない。計画がみじんの隙もなく公共の福祉たり得るかも問われる。今回の検討委ではこうした視点での議論はほぼ見られなかった。
市当局にとっても、公平中立で厳しい審議を乗り越えてこそ、初めて市民、県民に「ダムが合理的だ」と理解を得られるものなのに、その機会を自ら失ってしまったようにも映る。
検討委は、石木ダムの早期建設の必要性を掲げる市の水道ビジョン策定に関わっており、この答申内容は審議前からある程度想定された。「(再評価を)やっていること自体が無駄」。1月から始まった一連の手続きの核心はいみじくも、横山均検討委員長が審議の中で指摘したこの言葉に集約されている。
公共事業の再評価制度の趣旨は、透明性を確保した第三者が審議し、不必要な公共事業は適宜見直していこうという点にある。「ゼロベースから慎重に議論した」(横山委員長)と胸を張る検討委だが、水需要予測や費用対効果といった議論では深いやりとりもなく、反対派から「認定ありき」と指摘が上がるのは当然だろう。
石木ダム建設は、住民の財産を強制的に取り上げ、事業を行うものなので、その手続きを進める際は極めて抑制的なものでなければならない。計画がみじんの隙もなく公共の福祉たり得るかも問われる。今回の検討委ではこうした視点での議論はほぼ見られなかった。
市当局にとっても、公平中立で厳しい審議を乗り越えてこそ、初めて市民、県民に「ダムが合理的だ」と理解を得られるものなのに、その機会を自ら失ってしまったようにも映る。