漫画で知るヤングケアラー 長崎大の学生が制作「いろんな可能性を見せられた」 県HPで公開

長崎新聞 2025/04/03 [11:00] 公開

漫画「カゲロウの僕ら」の制作を報告した3人=県庁

漫画「カゲロウの僕ら」の制作を報告した3人=県庁

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「ヤングケアラー」について理解を深めてもらい、早期支援につなげようと、長崎大漫画研究会は県と協力し、ヤングケアラーの広報啓発漫画「カゲロウの僕ら」を制作した。長崎県こども家庭課のホームページ(HP)で公開している。

 ヤングケアラーは、本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話を日常的に行う子どもや若者のこと。「カゲロウの僕ら」は約30ページで、高校生が学校の調べ学習でヤングケアラーを取り上げたことから始まる。当事者が自覚しにくく、周囲に相談しづらい現状などを描いた。

 昨年10月、県こども家庭課から同研究会に依頼があり、3月に完成。学生たちは制作途中、ヤングケアラー支援のシンポジウムに参加したり、実際に当事者から話を聞いたりした。作品には長崎駅など県内のスポットや長崎らしさをちりばめ、県の相談窓口の公式ラインや電話番号も盛り込んだ。

 3月31日、同研究会代表の小田隼さん(21)=同大経済学部4年=、村上貴大さん(19)=同大工学部2年=、開發(かいはつ)美咲さん(19)=同大薬学部2年=の3人が県庁を訪問し、浦亮治こども政策局長らに完成を報告した。

 浦局長は「多くの子どもたちに関心を持ってもらい、気づきを与える意味で、世代の近い皆さんに漫画を作成していただけて良かった」と感謝。作画を担当した開發さんは「ヤングケアラーはいろんなケースがある。作品の中で一つのケースだけでなく、いろんな可能性を見せられたのでは」と話した。

◎393人が「家族のお世話」 昨年度のヤングケアラー実態調査

 長崎県は2024年度に県内公私立の小中高、特別支援学校の児童生徒を対象に実施したヤングケアラーに関する実態調査の結果を公表した。「家族の中にあなたがお世話をしている人はいますか(お世話はふつう大人が行うような家事や家族のお世話を指す)」という質問に対し、回答した11万2096人のうち0・4%にあたる393人が「いる」と答えた。

 昨年7~10月に実施した「いじめ等の生活アンケート調査」の中にヤングケアラーに関する項目を追加し、対象校598校のうち498校から回答があった。

 393人の内訳は全日制高校の166人が最も多く、中学校114人、小学校97人、定時制高校10人、特別支援学校4人、通信制高校2人。このうち外部機関への相談などが必要と判断した児童生徒は69人で、小学校26人、全日制高校22人、中学校18人、通信制高校2人、特別支援学校1人の順だった。相談を受けた市町はホームヘルプサービスの導入やショートステイの提案、家庭訪問などを通して支援している。

 外部機関への相談が不要とした324人については「手伝い・お世話の範囲内」「学校生活に支障がない」「本人の困り感や負担・ストレスがない」などが判断の理由だった。