路線バスが相次いで廃止…佐世保の5地区で乗り合いタクシー導入 住民「助かる」「継続を」

長崎新聞 2025/04/05 [12:30] 公開

中里・皆瀬地区で予約制乗り合いタクシーを利用する住民=佐世保市

中里・皆瀬地区で予約制乗り合いタクシーを利用する住民=佐世保市

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  • 予約制乗り合いタクシーのエリア
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長崎県佐世保市と周辺市町で運行する路線バスが相次いで廃止されたことを受け、同市は1日から、住民の足を守る代替手段として、市内5地区で予約制の乗り合いタクシーを導入した。地域交通が維持され、住民はひと安心の様子を見せている。

 市内と周辺市町の路線バスを運行する西肥自動車(西肥バス)は、運転手不足などを理由に3月末で15路線を廃止した。市はこのうち7路線で代替手段が必要と判断し、5地区(烏帽子、弓張、宮、針尾、中里・皆瀬)に分けて導入した。同市では既に7地区で乗り合いタクシーが取り入れられており、市によると、住民の足として定着しつつあるという。

 新たに加わった5地区では、住民のニーズに応じて主要施設や近接する路線バスのバス停へとつなぐ専用の停留所を新設。タクシーが住民の自宅と停留所を往復運行する。月~金曜日に運行し、土日祝日は運休。観光地の弓張岳展望台など、エリア外の一般者の利用にも対応する。

 会社への通勤で利用した中里・皆瀬地区の女性(52)は「なくなったら大問題。ありがたい」とホッとした表情を見せた。従来のバスで約15分の距離。「歩いたら約50分。買い物にも助かる。高齢化が進む中、これからも住民の足を守ってほしい」と語り、タクシーに乗り込んで帰路に就いた。

 市地域交通課は「今後も地域住民の声を聞き、事業所と協議しながら、利便性を向上させ、利用促進も図っていきたい」としている。