定数18に対し、22人がしのぎを削る長崎県五島市議選は9日の投票(久賀島と奈留島は8日に繰り上げ)に向け、終盤戦に入った。現職5人が引退する一方、新人は2004年の新市発足以来最多となる10人が立候補。候補者の新旧交代が進み票の行方が読みづらい中、各陣営は交流サイト(SNS)なども駆使し、激しい戦いを繰り広げている。
候補者の内訳は、▽現職10(自民4、立憲民主1、無所属5)▽元職2(無所属2)▽新人10(公明1、共産1、無所属8)。旧市町別では▽福江11▽富江2▽奈留3▽三井楽2▽玉之浦3▽岐宿1。
新人はIターンの3人を含め、10人が挑む。地盤がなく、手探り状態の新人陣営からは「初めての経験で、どれだけ票に結び付くのか不透明」と戸惑いの声も。これに対し、現職の1人は「(新人は)新鮮味や注目度が違う。情勢が読みづらい」と警戒。別の候補は「長年の支援者が新人の応援に回り、痛手だ」とこぼす。
若者の流出などで人口減少が進む同市の中でも、周辺部はその傾向が顕著。奈留を地盤とする1人は「住民票だけ(奈留に)残し、(奈留)島外や施設に移った人もいる。島内の票だけでは厳しい」と明かす。玉之浦の候補の1人も「有権者約千人の地域に3人が出馬するとは」と戸惑い、福江島の中でも大票田の福江地区を中心に集票に必死。こうした市中心部への切り込みの激化も、票の読みづらさに拍車をかける。
選挙戦では多くの候補者が、27年3月末に期限が切れる有人国境離島法の延長の必要性を訴えている。航路・航空路の運賃低廉化、1次産業の輸送コスト支援、観光振興、雇用拡充につながることから、あるベテラン候補は「国に声を伝える大事な時期」とし、長年の実績のアピールに余念がない。
このほか、各陣営は1次産業振興や防災・減災対策、医療サービス維持、子育て支援などを掲げ舌戦を展開。手法も「政策で選んでもらいたい」と選挙カーからの名前の連呼はせず、SNSでの発信に注力する候補など、さまざまだ。
一方、有権者からは「離島の現状は厳しい。地元を熟知するベテランの力が必要」(60代男性)と安定感を求める声、「広い視点と新しい発想で上の世代に意見できる元気ある人に託したい」(50代男性)と新顔に期待する声が交錯。移住者の30代女性は「雨の日の子どもの遊び場が本土より少ない。子育て世代の気持ちが分かる人に入れたい」と話す。
前回の最下位当選の得票は720票。今回は新人が増え票が分散し、当落ラインが下がるとの見方も。一部陣営は「当落ラインは650~700票ぐらいか」「安全圏は800票以上」と分析する。
前回の投票率は68・62%。今回は投票日まで天気がぐずつき、冷え込む予報もあり、投票控えから「横ばいか微減」「65%前後」との声も聞かれる。
有権者数は2万9407人(男1万4008、女1万5399)=1日現在、市選管調べ=。
候補者の内訳は、▽現職10(自民4、立憲民主1、無所属5)▽元職2(無所属2)▽新人10(公明1、共産1、無所属8)。旧市町別では▽福江11▽富江2▽奈留3▽三井楽2▽玉之浦3▽岐宿1。
新人はIターンの3人を含め、10人が挑む。地盤がなく、手探り状態の新人陣営からは「初めての経験で、どれだけ票に結び付くのか不透明」と戸惑いの声も。これに対し、現職の1人は「(新人は)新鮮味や注目度が違う。情勢が読みづらい」と警戒。別の候補は「長年の支援者が新人の応援に回り、痛手だ」とこぼす。
若者の流出などで人口減少が進む同市の中でも、周辺部はその傾向が顕著。奈留を地盤とする1人は「住民票だけ(奈留に)残し、(奈留)島外や施設に移った人もいる。島内の票だけでは厳しい」と明かす。玉之浦の候補の1人も「有権者約千人の地域に3人が出馬するとは」と戸惑い、福江島の中でも大票田の福江地区を中心に集票に必死。こうした市中心部への切り込みの激化も、票の読みづらさに拍車をかける。
選挙戦では多くの候補者が、27年3月末に期限が切れる有人国境離島法の延長の必要性を訴えている。航路・航空路の運賃低廉化、1次産業の輸送コスト支援、観光振興、雇用拡充につながることから、あるベテラン候補は「国に声を伝える大事な時期」とし、長年の実績のアピールに余念がない。
このほか、各陣営は1次産業振興や防災・減災対策、医療サービス維持、子育て支援などを掲げ舌戦を展開。手法も「政策で選んでもらいたい」と選挙カーからの名前の連呼はせず、SNSでの発信に注力する候補など、さまざまだ。
一方、有権者からは「離島の現状は厳しい。地元を熟知するベテランの力が必要」(60代男性)と安定感を求める声、「広い視点と新しい発想で上の世代に意見できる元気ある人に託したい」(50代男性)と新顔に期待する声が交錯。移住者の30代女性は「雨の日の子どもの遊び場が本土より少ない。子育て世代の気持ちが分かる人に入れたい」と話す。
前回の最下位当選の得票は720票。今回は新人が増え票が分散し、当落ラインが下がるとの見方も。一部陣営は「当落ラインは650~700票ぐらいか」「安全圏は800票以上」と分析する。
前回の投票率は68・62%。今回は投票日まで天気がぐずつき、冷え込む予報もあり、投票控えから「横ばいか微減」「65%前後」との声も聞かれる。
有権者数は2万9407人(男1万4008、女1万5399)=1日現在、市選管調べ=。