実質賃金、3年連続のマイナス 給与の増加、物価高に追い付かず

2025/02/05 [08:33] 公開

実質賃金と名目賃金の前年比増減率推移

実質賃金と名目賃金の前年比増減率推移

大きい写真を見る

 厚生労働省が5日発表した2024年の毎月勤労統計調査(速報、従業員5人以上の事業所)によると、物価変動を考慮した1人当たりの実質賃金は、前年比0・2%減で3年連続のマイナスだった。名目賃金に当たる現金給与総額は33年ぶりの高い増加率だったが、物価上昇に追い付かずプラスには届かなかった。

 同日公表の24年12月の実質賃金は速報値で、前年同月比0・6%増となり2カ月連続のプラス。月ごとでプラスだったのは6、7、11、12月で、いずれも賞与(ボーナス)の支給時期に限られた。

 24年の月平均の現金給与総額は34万8182円で4年連続の前年比プラス。増加率は2・9%で、4・4%だった1991年以来の高い伸びだった。ただ統計に用いる消費者物価指数は3・2%上がり、実質賃金は減った。従業員30人以上の事業所は0・1%増で2年ぶりのプラスとなった。

 現金給与総額のうち基本給などの所定内給与は2・1%増、残業代などの所定外給与は0・1%増、主にボーナスが占める「特別に支払われた給与」は6・9%増だった。