対馬の廃校取得計画 九州防衛局が住民代表に訓練内容説明、ミサイルの機動展開など想定 長崎

長崎新聞 2025/04/25 [11:45] 公開

訓練などについて説明があった代表者説明会=対馬市美津島町、市小船越コミュニティーセンター

訓練などについて説明があった代表者説明会=対馬市美津島町、市小船越コミュニティーセンター

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防衛省が長崎県対馬市美津島町の旧市立浅海中跡地を取得する計画を巡り、市は24日、住民代表への説明会を初めて市内で開き、九州防衛局が取得後の訓練内容などについて説明した。

 旧浅海中校区の11地区の区長と三つの漁協組合長が対象で10人が参加。当局側から同局のほか、陸上自衛隊対馬警備隊も出席した。

 同局の説明によると、同校跡地ではこれまで戦闘訓練などを実施してきたが、取得後は地対艦誘導弾といったミサイルの機動展開、ヘリコプターからグラウンドや校舎への降下訓練などを想定。訓練は年間10回程度を考えているという。実弾訓練はしないとした。

 跡地購入は陸自の安定的な訓練の実施が目的で、計画地は約3ヘクタール。2025年度予算に盛り込まれ、本年度内に取得する予定。

 住民側の希望で質疑応答は非公開。同局担当者によると、住民からは騒音の程度に関する質問などがあったが、計画への明確な賛否の意見は出なかったという。取得後の施設の改修や新たな建物の建設について担当者は「現時点では考えていない」と説明した。

 市は住民全体への説明会を「5月中旬ごろに開きたい」としている。