首相、経済対策は赤字国債に慎重 現金給付案「ばらまき」を否定

共同通信 2025/04/14 [17:46] 公開

衆院予算委の集中審議で答弁する石破首相。物価高や米国の高関税措置を受けた新たな経済対策を議論した=14日午前

衆院予算委の集中審議で答弁する石破首相。物価高や米国の高関税措置を受けた新たな経済対策を議論した=14日午前

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 石破茂首相は14日の衆院予算委員会で、物価高や米国の高関税措置を受けた新たな経済対策を打つ際、赤字国債に頼った財政出動には慎重な姿勢を表明した。「国民の税金、次の時代の国民負担をないがしろにしてはならない」と述べた。与党内で浮上している全国民を対象とした一律3万~5万円程度の現金給付案を巡り、野党が夏の参院選対策だと批判したのに対し、首相は「選挙目当てのばらまきは考えていない」と否定した。

 経済対策の裏付けとなる補正予算案の規模を巡っては、自民党の森山裕幹事長も13日に「赤字国債を出さない範囲内」と言及。税収の上振れ分で財源を賄う考えを示しており、首相も足並みをそろえた。ただ党内には積極的な財政出動を求める声も根強く、今後の焦点となりそうだ。

 現金給付案に対し、立憲民主党の後藤祐一氏は「税金を集めて給付するぐらいなら、最初から減税してほしいという声が大きい」と追及。日本維新の会の岩谷良平幹事長は「2年間の食料品の消費税ゼロ」を提唱した。首相は「よく検討していきたい」と述べるにとどめた。