【ヤンゴン共同】ミャンマーの大地震で深刻な被害が出た北部ザガイン地域で、軍事政権が許可のない捜索、救助活動を認めないとの制限を設け、救援の妨げになっている。同地域は内戦の影響で被害の全容が把握できていない。捜索が進めば新たな被害実態が判明する可能性もある。
ザガイン地域では国軍と民主派武装組織「国民防衛隊(PDF)」が激しく衝突してきた。軍政はPDF側に物資や資金が自由に届くのを警戒し、管理統制を強めているもようだ。
ネットメディア「ミャンマー・ナウ」によると、ボランティアが主導する救助隊は軍政の事務所に被災した建物の所在地などの詳細を提出し、活動の許可を得る必要がある。水と食料を運ぶボランティア団体は通行できるようにするなど、支援内容によっても選別しているとみられる。
第2の都市マンダレーからザガイン地域に入ろうとするバスやトラックについては、国軍の検問所で身元や訪問目的を確認している。被災住民がボランティアにがれきの撤去を頼もうとしても国軍が介入し、活動が円滑に進まないという。