関税と貿易協定「整合性に懸念」 首相、参院予算委の集中審議

共同通信 2025/04/21 [12:42] 公開

参院予算委の集中審議で答弁する石破首相。右奥は赤沢経済再生相=21日午前

参院予算委の集中審議で答弁する石破首相。右奥は赤沢経済再生相=21日午前

大きい写真を見る

 石破茂首相は21日の参院予算委員会で、米政権の関税引き上げで影響を受ける中小企業などへの支援に全力を挙げる方針を表明した。資金繰りや雇用維持に向けた支援を列挙し「タイミングを失することがないように対応する」と述べた。米国の関税措置と日米貿易協定との整合性について「重大な懸念を持っている」と強調した。トランプ第1次政権時に締結した同協定では、日本が農業分野で譲歩した半面、自動車への追加関税を回避した経緯がある。

 予算委は米国との関税交渉後、初めての集中審議を開催。首相は在日米軍駐留経費の日本側負担に関し「非常に多くの負担をしている。唯々諾々と言われる通り負担を増やすつもりはない」と明言した。関税交渉と安全保障問題は分けて議論すべきだとの認識を示した。

 立憲民主党の徳永エリ氏は、在日米軍駐留経費の負担増や農産物の市場開放を求められる可能性が想定できたにもかかわらず、なぜ赤沢氏に防衛省や農林水産省の職員を同行させなかったのかと追及。首相は「各論に議論が及ぶと想定していなかった」と弁明した。