大船渡、消えない火「雨降って」 発生5日目、被災者に疲労の色

共同通信 2025/03/02 [18:37] 公開

山林火災の消火活動を行うヘリコプター=2日午前10時28分、岩手県大船渡市

山林火災の消火活動を行うヘリコプター=2日午前10時28分、岩手県大船渡市

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 いつになったら消えるのか―。岩手県大船渡市の大規模山林火災は2日、発生から5日目を迎えた。「家はどうなっているのか」「雨でも降って」。終わりの見えない避難生活に被災者は不安が募り、疲労の色も日に日に濃くなっている。

 「まさか、こんなに長引くとは」。同市三陸町綾里の漁師千田国広さん(63)は、小学校での避難生活が丸4日となり嘆いた。自宅の状況が分からず、避難所から見える煙や火の位置で場所を推測する。「情報がないのはモヤモヤするね」と思わず吐露した。

 200人以上が過ごす三陸町の公民館。この日は山形県最上町が自治体として芋煮の炊き出しを行った。綾里から避難している男性(62)は「弁当ばかりで飽きていたので身に染みる。疲れていたが、もう少し頑張れそうだ」と笑顔を見せた。

 公民館に避難する綾里の50代女性は「一向に帰れそうにない」と途方に暮れる。「雨でも降ってくれればいいのに」と祈るようにつぶやいた。