パリ五輪 長崎県出身者は柔道・永瀬1人 廣中けが、内村引退、予選会の壁

長崎新聞 2024/07/21 [10:20] 公開

五輪出場を懸けた4月のアジア選手権で敗れ、ぼうぜんとたたずむカヌー男子の水本(チョープロ)=東京・海の森水上競技場

五輪出場を懸けた4月のアジア選手権で敗れ、ぼうぜんとたたずむカヌー男子の水本(チョープロ)=東京・海の森水上競技場

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パリ五輪に臨む日本選手団410人中、長崎県出身者は柔道男子の永瀬貴規(30)=旭化成=の1人。9人が出場した2021年東京大会から大きく数を減らし、1964年東京大会以来の少なさとなった。前回出場した有力選手の引退や故障が主な要因で、複数競技で20代前半の選手が台頭してきたものの、代表権をつかめなかった。
 東京大会の陸上女子1万メートルで7位入賞した大村市出身の廣中璃梨佳(23)=日本郵政グループ=は、パリ大会の出場要件を満たしながらも、けがの影響でコンディションが整わずに代表を辞退した。体操男子の第一人者だった諫早市出身の内村航平(35)は東京五輪の翌年に引退。ライフル射撃男子で2大会連続出場を目指した島原市出身の松本崇志(40)=自衛隊=も、今年1月のアジア選手権で代表入りが消滅した後に第一線を退いた。
 岩手県出身で2012年から長崎県勢として活躍してきたカヌー男子の水本圭治(36)=チョープロ=は、五輪を懸けた4月のアジア選手権で惜敗。バレーボール男子で佐世保市出身の大宅真樹(29)=サントリー=、女子で佐世保市出身の田中瑞稀(28)=JT=は、いずれも6、7月のネーションズリーグまで代表入りしていたが、最終選考で落選した。
 東京大会後に頭角を現してきたバスケットボール女子3x3の佐世保市出身、江村優有(21)=早大=は、代表の主軸として活躍しながら、5月の五輪予選の試合中に負傷。チームも敗退した。水球男子で長崎市出身の佐々野廉(23)=東京ガスライフバル保谷=も代表に選ばれ続けていたが、メンバーが絞られる五輪には届かなかった。アーチェリー男子で長崎市出身の青島鉄也(22)=エディオン=も補欠の1番手にとどまった。
 江村は大学4年生、佐々野、青島は社会人1年目。他競技の若手選手も含め、次回のロサンゼルス大会出場を目指した巻き返しが期待される。