石川県輪島市の仮設住宅の敷地に、無料の入浴などで住民らがくつろぐことができる「コミセンマリンタウンBASE」が完成し、20日オープニングイベントが行われた。関係者は「施設が誰でも訪れやすい居場所になれば、お互いの見守りができる。災害関連死を防ぐ新たな形の拠点になる」と期待を込める。
施設は復興を進める国の補助事業として、輪島市などで町づくりに関わる社会福祉法人「佛子園」が運営。デイサービスの拠点となるほか、同市の仮設住宅に住む人は施設の共同浴場に無料で入ることができる。有料で飲食を提供し、ピラティスなどの運動も行う。同法人の雄谷良成理事長は「仮設に住む人だけでなく、みんなが集える場所になれば」と話した。今後、市内にさらに3カ所設置する予定という。
この日訪れた仮設住まいの高齢者らは、友人らとビールを片手に食事し楽しそうな様子。下地信子さん(87)は「いつも1人の食事だったので、誰かとおしゃべりしながら食べられるのが最高に楽しい」と笑顔だった。