官製談合疑いで佐々町長逮捕…「残念」町内に衝撃、議員ら動揺隠せず　長崎

長崎県北松佐々町長の古庄剛容疑者（７７）らが８日、官製談合防止法違反（入札妨害）などの疑いで逮捕された。定例議会が終わった翌日の逮捕。「残念でならない」「町長選はどうなるのか－」。町内には衝撃と不安が広がっている。
　定例議会が終わった７日夜。町職員と議員の懇親会に古庄容疑者も出席していた。議員の１人は「いつも通り元気だったけど、午前中の議会は少し元気じゃなさそうにも見えた」と振り返る。いつもは途中で帰るが、この日は最後まで残っていた。
　議員の多くは「朝、ニュースを見てびっくりした。談合のことは全く知らなかった」と口をそろえる。古庄容疑者の仕事ぶりについては「あまり政治的な駆け引きをするタイプではなく、真面目。そんなこと（官製談合）をするような人じゃないと思っていたのだが」と動揺を隠せない。ある議員は「町長は性格的に用心深いのに」といぶかしむ。
　中村義治副町長（６６）にとって古庄容疑者は町職員時代の先輩でもある。「真面目に仕事をする上司。町長になってからもその姿は変わらなかった」と話した。
　一方、別の議員は「（指名競争入札で落札した建設業者の）山龍は約１カ月前から捜査を受けていた。何かしたんだろうかとうわさになっていた」と話す。町内の自営業者は「３月に入ってから町内で談合があって警察が捜査しているという話を聞いていた」と言う。
　山龍代表取締役の木田栄三容疑者（５３）に入札情報を伝えたとされる山口情二容疑者（６２）は県北地区にある建設会社の幹部社員。関係者によると、営業畑で長年会社を支えてきた営業の顔ともいえる社員で、社内でも信頼されていたという。
　山龍などと７月の入札に参加した建設会社の社員は「（町長は）いい人だったし悲しい。なんでこんなことするかな。４期目で、もう辞めるのかなと思っていたが、こんな最後になるとは」と落胆した様子だった。