43人の犠牲者を出した1991年6月の雲仙・普賢岳大火砕流で亡くなったフランスの世界的な火山学者、クラフト夫妻が世界各地で撮影した活火山の写真と映像約450点を、島原市平成町の雲仙岳災害記念館が収蔵したことが26日、分かった。同館は3月1日のリニューアルオープンに合わせてクラフト夫妻の常設展を新設。夫妻の功績を伝える。
夫妻は世界約200カ所の活火山を踏査した。収蔵品には、アラスカ・オーガスティン火山で間近に捉えた火砕流の貴重な映像なども含まれる。
夫妻の常設展は、2階に約150平方メートルの新たな展示スペースを設置。夫妻が踏査した主な火山を記した世界地図のほか、貴重な火山の写真や映像のスライドショーが上映される。当面は約40点を展示し、今後充実させていく予定だ。
雲仙岳災害記念館などによると、夫モーリスさん(45)と妻カティアさん(49)=年齢は死亡時=は共にストラスブール大で地質学や化学を学び、1970年に結婚。世界各地で噴火が起きると現場に駆けつけ、火口や溶岩流の様子を鮮やかな写真や映像で記録してきた。
モーリスさんは累計約800時間の映像フィルム、カティアさんは約30万枚の写真を撮影。民間の「モーリスおよびカティア・クラフト図像コレクション」(フランス・リヨン市)が管理している。
同団体代表のジュリアン・デュモンさん(39)や、夫妻の元助手で作品分類などの責任者を務めるアンドレ・ドゥメゾンさん(74)らが昨年3月、追悼のため島原を訪れ、雲仙岳災害記念館の杉本伸一館長(74)らと交流。同団体は昨年末、同館とパートナーシップ協定を結び、クラフト夫妻の作品を無償で貸与することにした。
大火砕流惨事から9日後に発生したフィリピン・ピナトゥボ山の大噴火前には、ユネスコなどの依頼で、モーリスさん撮影の火山災害防止の啓発ビデオが上映され、1万人以上の住民が避難するのに役立ったといわれている。杉本館長は「夫妻終焉(しゅうえん)のこの地で、末永く功績を伝えていきたい」と話している。
夫妻は世界約200カ所の活火山を踏査した。収蔵品には、アラスカ・オーガスティン火山で間近に捉えた火砕流の貴重な映像なども含まれる。
夫妻の常設展は、2階に約150平方メートルの新たな展示スペースを設置。夫妻が踏査した主な火山を記した世界地図のほか、貴重な火山の写真や映像のスライドショーが上映される。当面は約40点を展示し、今後充実させていく予定だ。
雲仙岳災害記念館などによると、夫モーリスさん(45)と妻カティアさん(49)=年齢は死亡時=は共にストラスブール大で地質学や化学を学び、1970年に結婚。世界各地で噴火が起きると現場に駆けつけ、火口や溶岩流の様子を鮮やかな写真や映像で記録してきた。
モーリスさんは累計約800時間の映像フィルム、カティアさんは約30万枚の写真を撮影。民間の「モーリスおよびカティア・クラフト図像コレクション」(フランス・リヨン市)が管理している。
同団体代表のジュリアン・デュモンさん(39)や、夫妻の元助手で作品分類などの責任者を務めるアンドレ・ドゥメゾンさん(74)らが昨年3月、追悼のため島原を訪れ、雲仙岳災害記念館の杉本伸一館長(74)らと交流。同団体は昨年末、同館とパートナーシップ協定を結び、クラフト夫妻の作品を無償で貸与することにした。
大火砕流惨事から9日後に発生したフィリピン・ピナトゥボ山の大噴火前には、ユネスコなどの依頼で、モーリスさん撮影の火山災害防止の啓発ビデオが上映され、1万人以上の住民が避難するのに役立ったといわれている。杉本館長は「夫妻終焉(しゅうえん)のこの地で、末永く功績を伝えていきたい」と話している。