温か~い 地熱のエコ体験 雲仙で「燗付け」ツアー 火山の恵み、給湯などに活用

2025/01/25 [11:40] 公開

燗付けで温めた湯に触れて驚く参加者(右)=雲仙市小浜町雲仙

燗付けで温めた湯に触れて驚く参加者(右)=雲仙市小浜町雲仙

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雲仙市の雲仙温泉の地熱を宿泊施設の給湯や暖房に利用する「燗(かん)付け」。二酸化炭素(CO2)を排出しない持続可能なエネルギー活用であるこの仕組みを伝えるツアーが、来月22日までの毎週土曜日、雲仙地獄周辺で実施されている。
 雲仙温泉街では、旅館から地獄の噴気孔までパイプを敷いて水を流し、噴気で熱水にして旅館に戻している。水を張った鍋に日本酒のとっくりを漬けて熱かんにするような仕組み。
 市によると、燗付けの熱を重油に換算した場合、雲仙温泉街の約半分の旅館の使用量にあたるという。国立公園「雲仙」指定90周年記念事業と、脱炭素化に取り組む国立公園「ゼロカーボンパーク」登録の一環として、市がツアーを企画した。
 初回の18日には10人が参加。ガイドが地獄の成り立ちや燗付けの仕組みを話した。参加者は「火山の恵みである地熱を生活に生かしている」などと説明を受けながら、地獄周辺を1時間ほどかけて歩いた。噴気地帯で温めた湯に触れると「すごい」「温かい」と声を上げて驚いた。
 市の担当者は「自然の熱を利用した古くて新しい『エコな給湯器』を知ってほしい」と話している。
 ツアーは参加無料で毎回先着10人まで。午前10時に雲仙温泉街の50周年広場に集合。申し込みが必要。問い合わせは雲仙観光局(電0957・73・3434)。