天の川銀河の隣にある小マゼラン銀河の観測データから、太陽より8倍以上重い「大質量星」の分布と動きを世界で初めて明らかにしたと名古屋大の研究チームが11日付の米専門誌に発表した。大質量星は銀河を公転せず、銀河を引き裂くように動いていた。これまで考えられてきた動きと異なり、天の川銀河の研究にも影響を与えるとしている。
チームは宇宙望遠鏡「ガイア」の観測データを利用し、地球から約21万光年離れた小マゼラン銀河で青く明るい特徴を持った大質量星7426個の分布を公表した。
その上で、これらの大質量星が銀河を内側から引き裂くように動いていることを突き止めた。隣り合う大マゼラン銀河の重力の影響とみられる。天の川銀河のように公転しないことを示している。
これまで公転を前提に小マゼラン銀河の質量が計算され、大小マゼラン銀河の動きが推定されていたが、今回の観測を踏まえ、再検討が必要になりそうだ。