被団協がノーベル平和賞受賞 長崎市長「努力がやっと報われた」

2024/10/12 [10:05] 公開

日本原水爆被害者団体協議会(被団協)のノーベル平和賞受賞決定を受け、長崎市の鈴木史朗市長は11日、報道陣の取材に「長年の地道な取り組みが世界に認められた証。自らの被爆体験を世界に訴えてきた努力がやっと報われた」と敬意を表した。
 鈴木市長は受賞が「(核を巡る)厳しい国際情勢が核なき世界の実現に大きくかじを切る契機に」と期待。被爆者の平均年齢は85歳を超え、被爆者運動をけん引した山口仙二さんや谷口稜曄(すみてる)さんらは既にこの世を去り、「遅きに失したという印象も持った」と複雑な心境ものぞかせた。
 大石賢吾知事も受賞決定を祝い、「県としても『長崎を最後の被爆地に』という(県民の)強い思いを引き続き世界に向けて発信し、核なき世界の実現に向けて取り組む」と語った。
 長崎大の永安武学長は「核兵器の非人道性と廃絶を訴え続けてきた被団協に心からの敬意を表する」とのコメントを発表した。