総額420億円、完成7年遅れ…石木ダム、長崎県の方針を承認 県評価監視委

2024/09/03 [12:30] 公開

大石知事に意見書を手渡す友広委員長(右)=県庁

大石知事に意見書を手渡す友広委員長(右)=県庁

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長崎県と佐世保市が東彼川棚町に計画している石木ダム建設事業について、県公共事業評価監視委員会(友広郁洋委員長)は2日、総事業費を約1・5倍の420億円に増額し、完成時期を7年遅れの2032年度とする県の方針を認める意見書を大石賢吾知事に提出した。
 同委員会は先月、長崎市内で治水面から同事業の費用対効果などを審議。県は増額や工期延長の理由に、資材価格の高騰や建設業界における働き方改革、反対住民らによる抗議活動などを挙げ、事業継続が承認された。ダムのもう一つの目的である利水については佐世保市が検討する。
 意見書では自然災害が近年頻発化、激甚化しているとして「必要性は高く、事業継続は妥当」と評価。計画期間内での完成を求める一方で「事業効果や技術的な面などについて、事業に反対する住民との話し合いの場を設け説明を尽くしてほしい」との意見も付け加えた。
 意見書を受け取った大石知事は報道陣に対し「現地住民の理解を得ることが重要との考えは変わらない。最近の自然災害の状況を踏まえた事業効果の説明や話し合いの場を得るため、あらゆる努力を続ける」と述べた。