「長崎いのちの電話」5月に講演会 相談ボランティア養成へ 受講生募集

長崎新聞 2025/04/23 [11:30] 公開

「長崎いのちの電話」の相談室。年間1万件前後の相談が寄せられる=長崎市内

「長崎いのちの電話」の相談室。年間1万件前後の相談が寄せられる=長崎市内

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自殺予防を目的に電話相談を受け付けている社会福祉法人「長崎いのちの電話」は、新たに相談ボランティアを目指す養成講座の受講生を募集している。現在94人が活動しているが、人手が足りず、電話がつながりにくい状況があり、安定的な相談員の確保が課題。養成講座に先立ち、5月に佐世保、長崎両市で無料の公開講演会を開く。
 長崎いのちの電話は1994年11月5日に開局。年中無休で午前9時~午後10時、相談を受け付けている。毎月10日と第1、第3土曜日は24時間体制。昨年6月からは、長崎市内の拠点に加え、佐世保市内にも分室を構え、月10回程度、相談員を配置している。
 相談件数は新型コロナウイルス禍で縮小した時期を除き、年間1万件前後で推移。2024年は9772件の相談があり、このうち自殺に関する内容は6・8%に当たる663件だった。誰にも打ち明けられない孤独感を抱え、相談する人も多いという。
 相談員は04年の118人をピークに減少傾向。コロナ禍で活動を休止する人が増え、慢性的に不足感が続いている。相談員の高齢化も課題だ。
 養成講座は原則22~68歳が対象。座学中心の前期(25年6~10月)と、ロールプレイなど実践的な研修に入る後期(同10月~26年2月)がある。その後、半年間の実習を経て相談員に認定される。講座の受講料は前期8千円、後期2万4千円。相談員に認定されると県から受講料が一部支給される予定。
 県内各地から参加しやすいように開講式は、東彼東彼杵町総合会館で初めて開く。研修会場は長崎市内の他、佐世保市内にウェブサテライト会場を設ける。
 公開講演会は5月10日午後1時半、佐世保市の県北振興局天満庁舎3階で、柿田多佳子副理事長が「傾聴基礎講座」の演題で話す。同24日午後1時半からは県庁で開き、「東京いのちの電話」の末松渉理事長が「善き出会いから生きる喜びへ」と題して話す。
 養成講座や講演会の参加申し込みは事務局(電095・843・4410)。