「真相究明程遠い」 全員協議会、長崎県義や傍聴した県民は不満 大石知事の政治資金報告書問題

2024/08/06 [10:07] 公開

長崎県の大石賢吾知事の政治資金収支報告書問題で5日開かれた県議会全員協議会(全協)。大石氏は自民党県議の後援会から借り受けたと記載していた286万円を寄付に訂正したことなどを説明したが、「迂回(うかい)献金」の疑惑が持たれるような資金の流れを誰が考え、指示したかは分からずじまい。県議や傍聴した県民からは「真相究明には程遠い」との声が上がった。自民と公明を除く4会派は、問題について県議会総務委員会で集中審査を開くよう求める方針を確認した。
 この日は傍聴席で県民ら約40人が見守ったが、大石氏は「資金移動の事実を当時知らなかった」といった答弁に終始した。7月に真相究明を求める要望書を提出した市民団体のメンバーは「ますます疑惑が深まった。『知らなかった』では無責任」と納得がいかない様子だった。
 全協終了後、議会運営委員会(議運)を経て、4会派は今後の対応を協議。改革21の会派代表、山田朋子県議は「『調べたけど、分からなかった』という答弁が多く、不誠実な対応だった」と不満を口にした。
 大倉聡県議(もったいないよ長崎)は「知事は質問に正面から答えていない」と批判。堀江ひとみ県議(共産)も「深刻さが分かっていない。認識があまりにも欠如している」と資質を疑問視した。
 4会派は法律の専門家に見解を聞いた上で、総務委での集中審査に向け調整する方針を確認。286万円を貸した側の自民県議の弁明を聞くとして、19日の週に各派代表者会議の開催も求める。県議については議員対象の政治倫理審査委員会を求める声もあった。小林克敏県議(県民会議)は「県民のため真相究明をやらなければ」と息巻いた。
 議会として今後の対応を協議した議運では、前田哲也委員(自民)が「全協での答弁については一定理解した」としつつ「あらためて県民にしっかりと説明する場を」と強調。川崎祥司委員(公明)も「全容解明にはなっていない」として引き続き大石氏に説明を求める考えを示した。