諫早の家畜人工授精師、全国で最優秀賞! アプリ活用で分娩間隔を大幅短縮…長崎で5人目「西川賞」

2025/03/03 [11:20] 公開

県内で歴代5人目となる西川賞を受賞した小栁さん=諫早市小長井町

県内で歴代5人目となる西川賞を受賞した小栁さん=諫早市小長井町

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長崎県諫早市小長井町の家畜人工授精師、小栁詩織さん(43)が、第53回家畜人工授精優良技術発表全国大会(日本家畜人工授精師協会主催)で、最優秀賞の「西川賞」に輝いた。同賞の受賞は本県で歴代5人目。情報通信技術(ICT)ツールを活用した母牛の管理や、診療獣医師と連携した飼養管理で、分娩(ぶんべん)間隔を大幅に短縮し、コスト縮減を図ったことが評価された。
 実家が同町の黒毛和牛繁殖農家だった小栁さんは県外の看護学校を卒業後、サービス業などを経て2016年に就農。17年に繁殖牛に種付けする家畜人工授精師の資格を取得した。現在は夫婦で黒毛和牛繁殖農家として50頭を飼養管理している。
 小栁さんによると、従来の手法では牛1頭1頭の状態を手書きのカルテのようにして管理していたが、「時間と手間がかかり効率も悪かった」という。
 そこで、専用アプリを活用し、スマートフォン上で情報を管理・分析。診療獣医師と共有することで、牛の繁殖成績向上に取り組んだ。その結果、管理を担当する近隣3農場の分娩間隔の平均が、19年の442日から24年は390日に大幅に短縮されるなどの効果があった。
 2月14日に東京都内で開かれた全国大会では、こうした活動の成果を発表。小栁さんは「繁殖農家の担い手が減る中、あと5年、10年続けたいと考えている農家の方々をできる限りサポートしたい」と語った。