「恐竜」名付け親の写真発見 長崎出身・古生物学者 横山又次郎の前半生 恐竜博物館で展示

2024/10/17 [12:00] 公開

1889(明治22)年にドイツ・ミュンヘンの写真館で撮影された又次郎の肖像写真(長崎市恐竜博物館提供)

1889(明治22)年にドイツ・ミュンヘンの写真館で撮影された又次郎の肖像写真(長崎市恐竜博物館提供)

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「恐竜」の和訳を考案し「日本の古生物学の父」と呼ばれる長崎出身の古生物学者、横山又次郎(1860~1942年)の少年期から青年期の古写真群が新たに見つかった。このうち18枚は「日本の写真の開祖」で同郷の写真家、上野彦馬(1838~1904年)の撮影局で撮られた。研究グループは「(化学者でもあった)彦馬との交流が、又次郎が研究者となる土壌を育んだ可能性がある」としている。

 オランダ通詞の子として長崎に生まれた又次郎は、東京大の教授として国産化石を中心に研究。「恐竜」や「始祖鳥」の訳語を考案した。
 又次郎の孫の男性が長崎市に寄贈したアルバム1冊に収められた古写真群は、縦10センチ、横6・5センチほどの30枚。研究グループは、写真の縁の記述などを分析し、幕末から明治中期の撮影と推定。幼い又次郎らの集合写真や、ドイツ留学中の肖像写真などが含まれていた。
 研究の過程で、彦馬の姉が又次郎の養母だったことも判明。研究グループは「長崎ならではのネットワークの面白さが伝われば」としている。
 研究グループの長崎外国語大の姫野順一特別任用教授らは16日、市役所で記者会見。市教委恐竜研究所の中谷大輔学芸員は「写真をきっかけに、又次郎の再評価につながれば」と話した。
 市は19日から、ベネックス恐竜博物館(野母町)のエントランス無料ゾーンで、古写真群のレプリカを一般公開する。