原爆の犠牲になり、半世紀を経て爆心地近くで遺骨が発掘された幼い子どもに思いをはせ、被爆者が作った絵本を、被爆2世が歌にした。21日に長崎市で開かれるイベントで披露される。大学生ら若い世代も参加。核兵器に命を奪われた無念と平和を求める心を、世代をつないで伝えようとの願いを込める。
絵本は2022年に出版された「忘れないで 長崎原爆とさくらこちゃん」。同市で被爆遺構の保存運動に取り組んできた被爆者の竹下芙美さん(83)が1996年春、爆心地公園の工事現場で子どもの骨を見つけた体験を基に文章を書き、被爆漫画家西山進さん(2022年に94歳で死去)が絵を描いた。
骨は性別が不明だが、赤いボタンやおはじきが近くにあり、春に見つかったことから、竹下さんは「さくらこちゃん」と呼び、悼んできた。
歌を作ったのは、同市出身で被爆2世のシンガー・ソングライター、生田まんじさん(67)=東京在住。昨年8月、この絵本を読み、「夢を断ち切られ、50年も土の中に埋もれていたさくらこちゃんの悲しみと、発掘して追悼し、『忘れないで』と絵本を作った竹下さんの行動力に心を打たれた」。歌が自然に思い浮かんだという。
竹下さんは「原爆が落とされる直前まで、子どもたちの暮らしがあった。それが一瞬で奪われた。生きたかっただろうさくらこちゃんのことを忘れず、反戦・反核の願いを込めて絵本を作ったが、若い世代がつないでくれるのがうれしい」と話す。
イベントは「さくらこちゃんを忘れない」と題し、21日午後2時から同市岡町の長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)地下講堂で。生田さんのライブ、竹下さんの母校の銭座小で子どもたちが原爆をテーマに共同制作する大作絵画「火のトンネル」を手がけてきた馬場務教諭や竹下さんらのトーク、大学生の朗読がある。主催は県被爆者手帳友の会の「ヒバクシャ・ミライ・プロジェクト」。入場料500円。問い合わせは同会の井原和洋さん(電090・1115・4840)。
絵本は2022年に出版された「忘れないで 長崎原爆とさくらこちゃん」。同市で被爆遺構の保存運動に取り組んできた被爆者の竹下芙美さん(83)が1996年春、爆心地公園の工事現場で子どもの骨を見つけた体験を基に文章を書き、被爆漫画家西山進さん(2022年に94歳で死去)が絵を描いた。
骨は性別が不明だが、赤いボタンやおはじきが近くにあり、春に見つかったことから、竹下さんは「さくらこちゃん」と呼び、悼んできた。
歌を作ったのは、同市出身で被爆2世のシンガー・ソングライター、生田まんじさん(67)=東京在住。昨年8月、この絵本を読み、「夢を断ち切られ、50年も土の中に埋もれていたさくらこちゃんの悲しみと、発掘して追悼し、『忘れないで』と絵本を作った竹下さんの行動力に心を打たれた」。歌が自然に思い浮かんだという。
竹下さんは「原爆が落とされる直前まで、子どもたちの暮らしがあった。それが一瞬で奪われた。生きたかっただろうさくらこちゃんのことを忘れず、反戦・反核の願いを込めて絵本を作ったが、若い世代がつないでくれるのがうれしい」と話す。
イベントは「さくらこちゃんを忘れない」と題し、21日午後2時から同市岡町の長崎原爆被災者協議会(長崎被災協)地下講堂で。生田さんのライブ、竹下さんの母校の銭座小で子どもたちが原爆をテーマに共同制作する大作絵画「火のトンネル」を手がけてきた馬場務教諭や竹下さんらのトーク、大学生の朗読がある。主催は県被爆者手帳友の会の「ヒバクシャ・ミライ・プロジェクト」。入場料500円。問い合わせは同会の井原和洋さん(電090・1115・4840)。