鄭成功の時代に迫る 生誕400周年で特別企画展 長崎・平戸オランダ商館

2024/08/23 [10:43] 公開

展示物に見入る来館者=平戸オランダ商館

展示物に見入る来館者=平戸オランダ商館

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長崎県平戸市生まれの中国・明朝の遺臣、鄭成功(1624~62年)の生誕400周年を記念した特別企画展が、同市大久保町の平戸オランダ商館で開かれている。9月1日まで。
 鄭成功は同市川内町で中国・南安市出身の父と日本人の母の間に生まれ、7歳で福建省に渡った。明が衰退し清が台頭した動乱期に「抗清復明」を掲げて清と戦った後、61年にオランダの支配下にあった台湾を解放。「東アジアの英雄」として台湾各地などでまつられ、平戸と台湾との交流の礎を築いた。
 企画展の名称は「鄭成功とアジアの海」。16~17世紀の海外交流史▽鄭成功関係▽明代のコレクション-の3コーナーで構成。鄭成功の功績を記したパネルのほか、松浦史料博物館所蔵の南蛮甲冑(かっちゅう)や鄭成功直筆の書の模写、明軍が使っていた火薬入れなど貴重な史料73点が展示されている。
 山口県から観光で訪れた名和田(なわた)康典さん(64)は「鄭成功や海外貿易の歴史について、初めて知ることが多く勉強になった」と話した。