サッポロホールディングス(HD)の時松浩社長(63)は、国内ビール市場のシェアを2030年までに25%に引き上げる目標を表明した。同社推定で現状の10%台後半から伸ばす。3月の社長就任後に初めてインタビューに応じ「新商品ではなく(売り上げが)伸びている『黒ラベル』に注力する」と強調。26年10月の酒税一本化も販売拡大の追い風にしたいとも語った。
主力ブランドの黒ラベルはPRイベントの全国展開が奏功し、缶の販売数量はこの10年で倍増。「ビールの価値を掘り起こし、若年層に支持された」と手応えを口にした。「ヱビスビール」とともに、30年に向けて投資額も2倍に増やす意向を示した。
競合他社に引き離されているノンアルコール市場への対応が課題だ。時松氏はノンアル商品の開発人員を拡充し、食品などを手がける子会社との協業も視野に入れていると説明した。
サッポロHDは2月、不動産事業をグループから分離する方針を公表。東京の「恵比寿ガーデンプレイス」や札幌市の「サッポロファクトリー」の行方が注目されている。