敷地内に「平和伝承の場」 松山のスポーツ施設 長崎市が再配置イメージ

2025/02/08 [11:00] 公開

長崎市松山のスポーツ施設 配置イメージ図

長崎市松山のスポーツ施設 配置イメージ図

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長崎市松山町の平和公園内にある市民総合プールと陸上競技場などの再配置計画で、市は7日、スポーツ施設の具体的な配置イメージ図を明らかにした。競技場にプールを移した上で、敷地内に新たに「平和伝承施設」を設置する考え。長崎原爆の爆心地に近い立地にあり、訪れた人に被爆の実相や平和の尊さなどを伝える施設を想定している。

 同日、市役所で開かれた市平和公園再整備基本計画検討委員会の会合で市が示した。プールは競技場の南側部分に屋内と屋外を配置。北側部分に約8千平方メートルの広場を設ける。伝承施設は広場入り口付近に置く。
 弓道場は現在のソフトボール場の位置へ、庭球場は県が整備する長崎南北幹線道路と重なる場合、一部を隣接地に移す。高架下となる現在のプールの位置には多目的運動広場を検討している。
 委員からは多目的空間に関する質問や伝承施設の多言語対応を求める意見があった。来月開催の委員会で、市は再配置のより具体的なイメージパースを示す予定。
 市はこれまで、プールを競技場の位置に移し、代替施設の陸上練習場を中部下水処理場跡(茂里町)に新設する方針を説明。被爆者団体などは現地存続を求めている。委員会を受けて市民団体「市営松山平和運動公園を守る会」などは7日、伝承施設について「全くの申し訳程度の『施設整備』としか思えない」などとして抗議文を市に送付した。