空き家問題「自分事」4割 相談体制の充実など課題 長崎経済研究所が県民アンケート

2024/08/31 [12:30] 公開

空き家 県民アンケート

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十八親和銀行系シンクタンクの長崎経済研究所(長崎市)が「空き家を所有・管理しているか」を県民にアンケートしたところ、「将来は可能性がある」を含め問題を“自分事”と答えたのは4割に上った。ただ、このうち対応を関係者で話し合っているのは2割にとどまった。同研究所は、相談体制の充実や活用促進策の周知が課題とみている。
 7~13日、ウェブアンケートサイト「リサチャン」で県内の18歳以上の男女モニターに質問。386人が回答した。
 居住地で空き家が増えていると感じている人は69・4%。自宅周辺に空き家があると答えたのは60・6%で、それによる困り事(複数回答可)は「老朽化し屋根や外壁の落下などの危険がある」「植物が敷地外まで繁茂している」「防犯上不安」がいずれも半数超と目立った。
 空き家を所有・管理している人は10・1%。現在はなくても将来、所有・管理する可能性があるのは29・5%。合わせて全体の4割(153人)を占め、同研究所は「意外と多く、身近な問題であることがうかがえる。若年層も将来を意識している」と分析した。
 このうち所有・管理している39人の困り事(複数回答可)は「維持管理に手間やお金がかかる」と「解体するのにお金がかかる」が過半数だった。153人に対し、どうするか関係者で話し合っているかを尋ねると、23・5%が実践。まだだが「今後話し合いたい」と気にかけている人が47・7%に上った。
 全回答者386人に尋ねた、期待する対策(複数回答可)は「行政による修繕・解体などの費用助成」と「空き家の流通・活用の促進、中古住宅市場の活性化」が半数を超えた。管理に関する官民の取り組みの認知度も調査。市町などの空き家バンクを知っている人は6割強と比較的多いが、市町主催の相談会や民間団体の相談窓口、民間の空き家見守り・管理サービスはそれぞれ2~3割にとどまった。