鹿町工が「金星」 海星は18年ぶり初戦敗退… 第106回全国高校野球長崎大会第4日

2024/07/19 [10:27] 公開

【2回戦、海星―鹿町工】校歌斉唱後、スタンドの声援に笑顔で応える鹿町工の選手たち=県営ビッグNスタジアム

【2回戦、海星―鹿町工】校歌斉唱後、スタンドの声援に笑顔で応える鹿町工の選手たち=県営ビッグNスタジアム

  • 【2回戦、海星―鹿町工】校歌斉唱後、スタンドの声援に笑顔で応える鹿町工の選手たち=県営ビッグNスタジアム
  • 【2回戦、海星―鹿町工】6回から登板して無失点の好投を見せた鹿町工の宮木=県営ビッグNスタジアム
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第106回全国高校野球選手権長崎大会第4日は18日、長崎市の県営ビッグNスタジアムなどで2回戦8試合が行われ、鹿町工が第2シード海星に1-0で競り勝って3回戦に進んだ。海星は2006年以来、18年ぶりの初戦敗退。第6シード鎮西学院も波佐見に1-5で敗れたため、今大会はシード2校が初戦で姿を消した。
 この日はシード8校が登場。第1シード長崎日大は上五島に7-0で八回コールド勝ちした。創成館は延長十回タイブレークの末、粘る長崎西を4-1で振り切った。瓊浦は諫早農を3-0、九州文化学園は長崎東を5-1、大崎は長崎明誠を4-2、長崎総合科学大付は島原を5-2で退けた。
 第5日は19日、ビッグNなどで2回戦8試合を実施する。

◎鹿町工 先輩たちの無念晴らす1勝

 チーム一丸で越えなければいけない壁を越えた。鹿町工が今大会の2強の一角、第2シード海星を1-0で倒した。勝利の瞬間、グラウンドの選手たちは雄たけびを上げ、スタンドに詰めかけた約50人の応援団の間に歓喜の輪が広がった。
 夏の甲子園19度の出場を誇る海星。一昨年夏は準々決勝で対戦して、終盤に逆転負けした。現3年生はそのシーンを、悔し泣きする先輩たちの姿を、スタンドから見守った。そんな先輩たち数人から試合前日、選手たちに電話が入った。「絶対勝ってくれよ」。気持ちが高ぶった。
 先発木下は初回から海星の強力打線を翻弄(ほんろう)した。カーブやスライダーでタイミングを外す得意の打たせて取る投球で、内野ゴロの山を築いた。六回からは、木下が「安心して任せられる」と信頼する宮木が登板。木下に負けじと気迫の投球を続けた。1点リードの八回に無死一、三塁のピンチを背負ったが、切れのある直球を低めに集めて後続を抑え込んだ。
 投手陣の力投に打線も応えた。0-0の七回1死二塁で打席に立った渡邊は「頑張っている投手陣のためにも絶対に打ちたかった」と高めの直球を迷わず振り抜いた。打球は右中間に転がり、2走村辺が決勝のホームを駆け抜けた。
 “金星”を獲得して決めた2年ぶりの3回戦進出。でも、まだ満足するわけにはいかない。「ここは通過点。次も挑戦者として一戦必勝で臨む」(山本)。目指すは悲願の夏の頂点。本番はこれからだ。