長崎総科大が2027年に新学部 脱炭素やデジタル分野で人材育成 キャンパス再編も

2024/06/13 [12:00] 公開

長崎総合科学大の新学部設置構想に伴うキャンパス整備計画

長崎総合科学大の新学部設置構想に伴うキャンパス整備計画

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長崎総合科学大(長崎市網場町、黒川不二雄学長)は12日、デジタルや人工知能(AI)、脱炭素といった成長分野の人材育成を目的に、先端グリーン・デジタル理工学部(仮称)の新設を2027年に計画していると明らかにした。再生可能エネルギーなどグリーンとデジタル両分野にまたがる理工系の学部設置は県内初で、全国的にも珍しいという。二つのキャンパスも再編・整備する。
 IT・デジタル技術の活用や、再生可能エネルギー中心の社会・経済構造に転換する国内の動きが加速する中、同大は地域や企業と連携したグリーン・デジタル研究教育拠点を目指す。
 日本は理工農系学生の割合が35%と海外に比べて低く、政府は50%程度に引き上げる目標を掲げる。県内唯一の理工系私大である同大は国の支援事業を活用しながら体制整備を進めるため、24年度から10年間の教育研究に関するビジョンを今年3月までに策定した。
 同ビジョンでは、現在の工学部と総合情報学部の2学部2学科8コースを段階的に再編。27年に新設する学部にデジタル情報通信と国際グリーン共創(いずれも仮称)の2コースを設け、既存の4コースを移す。これに合わせ、大学院修士課程に新たな専攻を設置する。
 29年に総合情報学部を先端情報学部(仮称)に改組。工学部の再構築にも取り組む。学部4学年の総収容定員は現在の940人から最終的に2540人程度にまで増やす予定。
 キャンパスについては、付属高も立地する「シーサイド」(宿町)に新たな学部棟を建設。教育研究機能の主要部分を集約し、最先端の技術を取り入れた「サステナブル・スマート・キャンパス」を目指す。船舶関連などの実験施設がある山手の「グリーンヒル」(網場町)には、企業の研究者や起業を目指す若者らが入居する事務所や住居を整備する構想を描く。
 黒川学長は「成長分野の人材を育成することで地元の産業振興と発展に貢献し、若者が暮らし続ける好循環を生み出す道筋をつくりたい」と意気込みを語った。