ベンチャー企業、ユーグレナ(東京)が製造販売する持続可能な航空機燃料(SAF(サフ))を搭載したオリエンタルエアブリッジ(長崎県大村市、ORC)機材による遊覧飛行ツアーが21日、五島市福江島の上空であった。
ユーグレナは使用済み食用油や藻類のミドリムシから抽出した油脂などを原料にバイオ燃料「サステオ」を開発。陸海空の交通機関で導入を進めている。航空機燃料は昨年完成し、通常の燃料に混ぜて使用する。ミドリムシは成長時の光合成で二酸化炭素(CO2)を吸収するため、石油などの化石燃料に比べ環境負荷が少ない。
量産化と低コスト化が課題で、2025年には商業プラントを建設予定。現在の2千倍に当たる年間25万キロリットル以上に製造能力を拡大する計画だ。
同社とORCは17年、離島振興などを目的に、資本業務提携を結んだ。遊覧飛行はJTBが企画販売したツアー商品で、東京や大阪の12人が参加。日本ジオパークに認定された同市の上空を飛行した。ユーグレナ社製SAF搭載で、一般客対象の有償フライトは初めて。
同市上大津町の福江空港であったセレモニーで、同社の出雲充社長は、国内外でカーボンニュートラル(温室効果ガス排出量実質ゼロ)の動きが加速していることを念頭に「五島から機運を高める大切な一歩となるフライトができた」とあいさつ。「製造量を増やしコストを抑えるよう全力で取り組む」と述べた。