デマンドバスと町営バス運行へ 「まちの交通維持」より暮らしやすく 長崎県東彼杵地区

長崎新聞 2025/04/02 [11:40] 公開

関係者が見守る中、出発する東彼杵町の「どこっ茶バス」=東彼杵町役場

関係者が見守る中、出発する東彼杵町の「どこっ茶バス」=東彼杵町役場

  • 関係者が見守る中、出発する東彼杵町の「どこっ茶バス」=東彼杵町役場
  • 川棚、波佐見両町が運営するバスをテープカットで祝う関係者=波佐見町役場
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民間事業者のバスやタクシーの運転手不足が深刻化し路線が廃止・減便する中、地域の公共交通を維持し、暮らしやすいまちを実現するため、長崎県の東彼杵地区3町で1日、新たな町営バスと人工知能(AI)デマンドバスが本格運行を開始した。

 川棚・波佐見両町では、西肥自動車(西肥バス、佐世保市)の廃止路線を継続する形で町営バス「かわたな・はさみタウンバス」が始動。3月31日に関係者約30人を集めた出発式が波佐見町役場であった。

 式では、波佐見町の前川芳徳町長が「運行上の課題や意見を取り入れながら利便性の向上を目指す」、川棚町の波戸勇則町長が「地域の実情に合わせ、住民が使いやすい公共交通を築く」とそれぞれあいさつ。関係者でテープカットし、門出を祝った。

 試乗した川棚町の主婦、久保田和恵さん(79)は「両町に通う高校生や通院する高齢者にとって、なくてはならない交通手段。代替交通ができて本当に良かった」と喜んだ。

 同バスの定員は55人で平日10便、土日は7便運行。主な変更点は▽JR川棚駅への接続の強化▽朝夕の時間帯に県立川棚特別支援学校まで延伸▽通勤・通学定期券の発行など。問い合わせは川棚町企画観光課(電0956・82・6116)、波佐見町商工観光課(電0956・85・2162)。

 一方、東彼杵町は公共交通の再編に伴い、3月31日付で山間部を走る町営バス3路線(大野原高原線、川内線、東部循環線)を廃止。1日から同沿線地区を含む町全域でデマンド交通「どこっ茶バス」を運行開始した。

 町は昨年3月から約1年近く実証運行し、利用者ニーズを探ってきた。町営バスの彼杵線と千綿線は引き続き運行する。

 同町役場で出発式があり、岡田伊一郎町長が「町内の約60%が山林地域で、公共交通がなくなれば支障を来す。高齢者のみならず若い世代にも利用してほしい」とあいさつ。愛称を考案した同町の会社員、三坂聡子さん(42)に町長から副賞が贈られた。

 「どこっ茶バス」は乗客定員8人の大型タクシー2台を配備。バス停留所に加え、各集落のごみ集積場や公共、金融、医療機関など、町があらかじめ設定した場所で乗降できる。予約状況から最適の運行ルートをAIで導き出す。

 運行時間は午前7時から午後5時まで。土日祝日は運休。運賃は1回200円。小中学生、75歳以上は100円。予約には事前登録が必要。問い合わせは町総務課防災交通係(電0957・46・0099)。