九州高校野球　長崎商、積めた「貴重な経験」　明豊（大分）に３－８で敗れる

長崎商にとって“実りの春”になった。県大会３位からの出場ながら、まずは１回戦で昨秋の九州王者の沖縄尚学を１－０で倒した。続く明豊（大分）には３－８で敗れたが、九州の強豪相手に真っ向勝負を演じた。本番の夏へ向けて、西口監督が大会前から口にしていた「貴重な経験」を積むことができた。
　沖縄尚学戦は身長１７０センチ、体重６０キロのエース山口が投打で躍動した。「球は速くないが、コントロールは自信がある。コースを突いて芯を外すことを意識した」という言葉通りに、１３０キロ台中盤の直球に変化球を織り交ぜて高校の公式戦で初完封。丁寧にボールを低めに集めて凡打の山を築いた。山口はバットでも三回１死から右中間三塁打で出塁。次打者のスクイズで決勝点となるホームも踏んだ。
　準々決勝は逆転された五回無死から２年生の中尾幸が好救援、２回を完全に抑えた。山口も七回からマウンドに上がり、３回２失点の粘投。「疲れでボールを制御できなかった」と言いながらも、最後まで諦めずに腕を振った。バックも２試合無失策で投手を支えた。
　持ち味を発揮して存在感を示した今大会。西口監督は「守備は粘り強さが出ている。攻撃力と投手陣の総合力をもうワンランク上げたい」、山口も「連戦を戦い抜けるスタミナをつけたい」とさらなる成長を誓っていた。