九州の大学で唯一の“弁論”サークル 長崎県立大佐世保校に「雄辯会」設立

2022/08/23 [11:00] 公開

新聞を読み社会問題について語り合う雄辯会の(左から)山根さん、中山さん、﨑元さん=佐世保市、県立大佐世保校

新聞を読み社会問題について語り合う雄辯会の(左から)山根さん、中山さん、﨑元さん=佐世保市、県立大佐世保校

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 長崎県立大佐世保校(佐世保市川下町)の学生が、政治や経済、国際情勢などをテーマに議論する弁論サークル「雄辯会」を立ち上げ、活動を本格化させている。同会によると、九州の大学で唯一の弁論サークル。「地方大生から当事者意識を」を理念に、社会問題を研究したり、自らの考えを主張するスキルを磨いたりしている。
 同会は同大4年の中山朝陽さん(22)らが「自分で考え、社会のために行動を起こせる学生を増やしたい」と昨秋設立。毎週集まり、新聞記事について討論したり、書籍を輪読したりして見識を深めている。
 会員は徐々に増加。今春に1年生5人が入会し、計16人となった。一定の規模となったことから、サークル内に「政治部」「国際部」「社会部」の三つのグループを設置。各部での活動も始め、佐世保市など地元自治体への政策提言や、学生向け小論文コンテストへの応募などを目指している。
 同大2年で国際部に所属する山根洸翔(ひろと)さん(20)は「もともと歴史が好きで、大学の学科や学年を越えて語り合える仲間ができた」と笑顔。同大1年で社会部の﨑元愛琴(まこと)さん(19)は「政治だけでなく、差別やジェンダーの問題など幅広い分野を学べる」と語る。
 メンバーは全国規模の弁論大会にも出場する予定。同会を代表する幹事長に就任した中山さんは「サークル活動を通じ、学生が夢や目標を見つけてほしい。雄辯会が、社会に貢献する学生を育てる“通過点”のような存在となるよう取り組みたい」と意気込んでいる。