県北「空白」の医療的ケア児短期入所診療所 佐世保で来春開業へ

2024/09/14 [12:21] 公開

人工呼吸器やたん吸引など日常的に医療的なケアが必要な医療的ケア児の受け入れを巡り、長崎県佐世保市は13日、市内の社会福祉法人が、医療型短期入所を含む小児科診療所の来年度開業を準備していることを明らかにした。県北地域は2021年1月以降、ケア児向け医療型短期入所サービスの空白地帯となっており、受け入れ態勢の整備が課題となっていた。
 同日の市議会一般質問で、本田博之議員(自民党市民会議)の質問に辻英樹保健福祉部長が答えた。
 関係者によると、開業を準備しているのは市内で複数の福祉施設を運営する宮共生会。今月3日、県の医療審議会で開業に向けた特例診療所の許可についての審議があり、承認された。来年4月の開業を目指しており、病床は7床を予定している。
 市などによると、県北地域での医療的ケア児の受け入れ態勢を巡っては、佐世保共済病院が医療型短期入所を21年1月に休止。看護師の人材確保の困難さなどを理由に現在も再開のめどは立っていない。
 辻部長は宮共生会の開業の動きに「願ってもないありがたい話。市としても開設支援にかかる補助金の活用を視野に入れながら、量と質の両面でさらなる充実を図りたい」とした。本田議員は「大変喜ばしいが、小さな一歩」とし、引き続き入所施設確保に努めるよう市に求めた。
 宮共生会の原田良太理事長は「県南、県央に偏っている現状はケア児も、介護されている保護者にとっても大変厳しいものがある。しっかりと準備したい」と話している。