宇久島のメガソーラー計画 九電工、2026年度中の完成目指す…漁業団体との交渉が課題 長崎

長崎新聞 2025/04/29 [12:00] 公開

長崎県佐世保市の宇久島に国内最大規模の太陽光発電所(メガソーラー)を建設する計画について、九電工(福岡市)の石橋和幸社長は28日の記者会見で、2026年度中の完成を目指すと発表した。
 
 事業は発電事業会社「宇久島みらいエネルギー合同会社」が計画。九電工や京セラ(京都市)など国内外の企業が出資。総投資額約2千億円。地権者から土地を借り、約150万枚(面積計約280ヘクタール)の太陽光パネルを設置する。

 工事全体の約7割が宇久島での工事となり、地区ごとに進めている。九電工によると、工事の進捗(しんちょく)状況は「3分の1」。当初予定の23年度からは遅れており、27年初頭ごろに完成する見込み。

 佐世保本土に送電する海底ケーブル(全長64キロ)の敷設について、事業者側は許可を求める申請書を長崎県と佐世保市に提出。手順にのっとり、外部専門家や弁護士を含めた審査が進んでいる。九電工によると、結果が分かるのは数カ月後の夏ごろ。宇久島沿岸の一部についてはすでに県の許可を取得済み。敷設は約3カ月で完了するという。

 敷設は反対姿勢を示している漁業団体との交渉が課題となっている。白水亮財務部長は取材に対し「行政から許可が下りても、漁業者には丁寧に説明していく。地域とのあつれきは避けたい」と話した。