長崎県東彼波佐見町の若者たちが動画投稿サイト「ユーチューブ」内に開設した「波佐見アゲアゲTV」が人気だ。昨年4月にチャンネル開設し、週1本のペースでユニークな動画を投稿。オール波佐見ロケの地元愛あふれる企画やメンバーが織りなすにぎやかな雰囲気が好評で、2月までに約900人が登録した。根底には「地元の未来を明るくしたい」というメンバーの熱い思いがある。
代表の岩永康央さんを始め、太田海斗さん、中島史彦さん、久田大地さん、濱田圭佑さんの5人が主要メンバー。動画内ではそれぞれヤス、カイト、フミ、ダイチ、ハマとニックネームで呼び合う。他に撮影などを手伝うメンバーもいる。職業はバラバラだが、全員が27歳で町立波佐見中時代の同級生だ。
県外で働いていたヤスさんは、1年ほど前に家業を継ぐためにUターン。「せっかく戻るなら、何か自分たちが楽しくて、なおかつ地元のためになることをしたい」と考え、ユーチューブでの動画配信を思い付いた。親しかったメンバーが自然と集まり、企画や撮影、編集など試行錯誤しながら、短い動画も含めて約60本を投稿した。
「波佐見川で魚100匹釣れるまで帰れんばい!」「通学対決 バスVSチャリ どっちが早く着く?」「イノシシ猟師に1日密着してみた!」「甲子園経験者とホームラン対決!」などの企画は、メンバー同士が昼食中などにアイデアを出し合う。「撮ったもののボツになった企画もたくさんある」という。
「人と人をつなぎ、未来の可能性を広げる」と高い理念を掲げる。最近は視聴者の町民から企画を提案されることも多く、カイトさんは「町民との距離の近さが、魅力につながっていると思う」。ヤスさんは「自分が高校生のころを振り返ると地元には就職先も少なく、夢がないなと思っていた。動画を通して子どもたちに『地元は楽しい』と思ってもらいたい」と語る。
波佐見アゲアゲTVは毎週日曜午後9時に配信。ユーチューブで検索すると動画を視聴できる。
波佐見の未来 動画で明るく 若者発「アゲアゲTV」人気 地元愛あふれる企画続々
長崎新聞 2022/02/27 [11:30] 公開